MENU
64,489

スレッドNo.186

発達検査

Q0374
 保護司さんが、「子どもの発達が気になって」とか、「学校で怠惰で困ります」と言って相談に来られます。その際、発達検査を依頼される方もいらっしゃいます。「発達検査をしましょう」と持ちかける心理士もいます。子どもの行動など育児相談に発達検査は必要ですか?その結果をどう活用できますか?

A0374
 発達検査は必要です。心理テストよりもずっと信頼できます。だって、発達検査ってごく簡単なんです。ある年齢の子ができるかどうかを見ているだけですから。発達検査の問題点は、それを価値として判断することです。今10歳の子が8歳のことしかできないとしたら、その子は劣っていると思うことか。逆に、10歳の子が12歳の子にできることをしたらすぐれていると思うことか。違う。ただ早いか遅いかだけのこと。最終的には、みんな大人になります。早くなるかゆっくりなるかだけの問題で、すぐれているとか劣っているとかの価値的な問題じゃないんだけど、世の中の人たちがそう考えないのが問題です。これは発達検査の罪ではない。みんなの偏見の罪です。だから、発達検査はすべきです。なんですべきかというと、クラシフィケーションです。その子に適切な教育を施すためです。体は10歳で発達が8歳の子に、10歳の教育を施したら、差別です。その子がついていけないのがわかりきっているんだから。だから8歳の教育を施すべきで、それが適切な教育だと思います。そこに、「この子は10歳なのになんで8歳の教育なんですか?差別でしょ」と、世の中の人が間違った言葉を使うから、問題が起こっている。これは発達検査の罪ではない。競合的な社会の罪なんです。コンペティティブな社会で、他人とこの子とを比較して、他の子よりもすぐれているか劣っているかを裁きたい。この態度そのものが間違っていて、人間は1人1人特有の人生を生きていて、特有の発達をしますから、早いからといってすぐれているわけでもないし、遅いからといって劣っているわけでもない。それを、早いからすぐれている、遅いから劣っているという、偏見を世の中にばらまいていることの問題です。
 障害児教育については、この偏見が大変なんです。一番正直に言えば、障害のある子を普通のクラスで教育するのは差別です。その子にはその子に合った教育をしてあげるのが、われわれの義務だし、またその子の権利だもの。また、普通のクラスの先生には、障害児を教育する責任はないと思います。それは、障害児についての訓練を受けた、特殊な知識や技能のある先生がすべきです。これが科学的な冷静な理屈ですが、親も教師もそう思っていない。みんなと同じクラスにいるのが平等で、別のクラスに送るのは差別だと言う。その結果、結局子どもたちが不幸になっている。ですから、この話はもう1回頭を冷やして冷静に考え直したほうがいいと思います。(回答・野田俊作先生)

引用して返信編集・削除(未編集)

このスレッドに返信

このスレッドへの返信は締め切られています。

ロケットBBS

Page Top