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スレッドNo.219

論語でジャーナル(最終章)

3,孔子曰わく、命(めい)を知らざれば、以て君子たることなきなり。礼を知らざれば、以て立つことなきなり。言を知らざれば、以て人を知ることなきなり。

 先生が言われた。『天命を知らなければ君子となることはできない。礼を知らなければ官位に就くことができない。言葉(議論)の意味を知らなければ、人物を評価することができない』。

※浩→論語の最終章です。『天命』を理解した人物のみが君子になれるというある種の宿命論が説かれていて、礼制・知性(言葉)を持つ有徳の士が己れの天命を知ることによってのみ『道』を実践できるということが示されています。これはすこぶる神秘的で、理性的な孔子も究極では神秘主義に支えられていると言っていいでしょうと、貝塚先生。「言を知らざれば、以て人をしることなきなり」の吉川幸次郎先生の「言語こそは人格の表現である。言語の認識によってこそ、個人も人間の運命も認識できる」という解説に強く共感します。荻生徂徠は、この最終章は「学而篇」の最初の章と首尾応ずるのであり、「編集者の意なり」としています。はじまりの「学びて時に之を習う」は、礼を知り、言を知る努力で、「人知らずして慍(いか)らず」は、命を知る努力である、ということで、めでたく元につながりました。これにて『論語』前篇の完結です。長らくのご購読ありがとうございました。

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