癇癪持ちの3歳女子
Q0412
3歳の女の子。癇癪持ち。たびたび癇癪を起こす。幼稚園の帰り、「まだ遊ぶー」と泣き叫び、地面に転がりバタバタし始める。まわりの年長組の親子はみんな帰り、年中組のお迎えのママさんたちがいる。他の子は速やかに帰るのに、まだ遊びたいのかな?(野田:そんなこと言うから続くんやで)。「幼稚園はもうおしまいやから、またあしたね」と何度説得しても「イヤー」。その後「“緑のなんとか”をする。おんぶしてー、抱っこしてー」と抱っこ紐に注目。先生も説得してくれても収まらなかった。まわりの目も気になり、最終的に抱っこして、「幼稚園もうおしまいやからあした来て遊ぼうね」と話すと、暴れながら帰る。車に乗るまで泣いたりやんだりしているうちにしばらくすると機嫌が直る。どう対応したら、無理やり連れて帰れるか、方法があれば知りたい。
A0412
「パセージ」受けて。これは明らかに「パセージ」受けていないからこうなる。アドラー心理学の育児は、「こういう言葉がけをすればうまくいく」ではないです。基本的な原理がわからないとどうしようもありません。基本的原理をきちんと学んではじめて、こういう場合どうすればいいかがわかります。ですからまず、基本的な原理を学んでほしい。“英語ひとくち”なんとかで、「こんなときHow are you?と言いましょう」と知っていても英会話できません。時間をかけて英語の文法を学んで、単語を覚えないと、英語をしゃべれません。同じようにアドラー心理学も、2か月くらい時間をかけて学ばないと絶対に実践できません。だから「パセージ」を受けてください。
ま、受けるとして、なんでこんなことが起こっているかというと、賞賛を求める、注目関心を引く、権力争いをする、復讐をする、無能力を誇示するという5つの段階があって、どれやろね?賞賛を求めるじゃないですね。注目関心を引くは大いにありそう。これやっていると親が注目してくれる。ということは、ここに注目しないほうがいいということ。「不適切な行動には注目しない」と、「パセージ」習い始めるとガンガン言われる。一方、適切な側面を探すのも、ガンガン言われる。適切な側面を探さないで注目関心をやめたら、一層エスカレートするかもしれないから、「今日はよく遊んだね」とか言うのはしてあげる。泣いて「帰らなーい」と言うのには相手をしない。「ほなね」と言って帰る。子どもは泣きながらでも着いてくる。説得するからいかん。エネルギーあげるからいかん。エネルギーあげるのに冷たい態度で怒りもっていするからなんにもならん。またいじけて「ちょうだい」と言う。温かい関係を保ちながら、エネルギーをあげるのをやめる技を身につける。(回答・野田俊作先生)