不適切な行動を放置できない場合
Q
今日の講演で、甘やかしの教育が良くないことはわかりました。アドラー心理学で、不適切な行動には注目しないで適切な行動に注目し、勇気を与えることなどを学びました。器物破損や立ち歩きなどは不適切な行動に相当すると思います。またこの他にも学校では不適切な行動がいくつもあると思います。そうしたときには、毅然とした態度でその行為はルールにそぐわないことを指摘して、甘やかさないようにしていくことが大切なのかと思います。そうした場合に不適切な行動に注目することは不可欠だと思いますが、注目してよろしいのですね?どのあたりに注目してどのあたりには注目しないかの線引きのようなものはありますか?
A
不適切な行動に相当に注目するというのは、陰性感情を持つことです。腹を立てたりイヤがったりしていると注目しているんです。言葉も何もかけなくても。だからさっき、「喧嘩した子をニコニコして引き離して」と言ったでしょう。具合の悪い子をニコニコして警察に引き渡すのに、しっかりお説教して渡さなくてよいので、「いけないことをしたので責任を取ってもらいます」と言う。これがコツです。注目してない。陰性感情で相手を動かそうとしてない。ただ結末を体験してもらっているだけです。不適切な行動に注目するというのは、不適切な行動に陰性感情でもって対処するという意味です。適切な行動に注目するというのは、適切な行動に陽性感情でもって対処するという意味です。(回答・野田俊作先生)