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スレッドNo.334

ルールに罰を入れるのは?

Q
 クラスのルールの中に、「これを守らなかった場合○○という罰を与える」というルールを作ってもよいそうですが、そんなことをしたら体罰にならないですか?
 例えば、「チャイムの合図を守らなかったら教室に入れない」というようなルールは良くないような気がするのです。どういうルールなら教育的なんでしょうか?

A
 あのね、ルールの中に罰を作ることはいいことではありません。ですから、本当は罰なしのルールがいいんです。
 罰なしのルールでやっていって、どうしても守れないということが起こってくる場合があります。例えば、「教室の扉を壊さない」とか、「チャイムの合図で教室に入る」とかのルールの場合です。「チャイムの合図で教室に入る」というルールの場合、それ以前に「これがルールになりうるのだろうか、このルールの合理性は何だろうか」ということがちょっとばかり気になります。
 チャイムが鳴っても教室に入らない子どもがいたとするね。そのときに、その入らないという行為の結末は、誰の身にどのようにふりかかってくるのか。まず、その子どもの身にふりかかってきますね。勉強が遅れるかもしれませんから。教師はチャイムが鳴ったら授業を始めるという態勢でいたほうがいいです。たとえ全員集まっていなくても。みんなが来るのを待つことはないから。そういう前提での話です。1人も入っていなかったとしても、空っぽの教室で授業を始めるくらいの迫力があったほうがいい。私はそうです。私は時間になったら講義を始めることにしていますので、誰も来ていなくても始めてしまうんです。
 だから遅れるということで、その結末は本人にだけふりかかるようにしなければいけないと思います。とすれば、このことはそもそもクラス共同体の課題になりうるのだろうか。クラス全体の共同の課題になれないようなものをルールにできるかというと、これはできないんです。だから、「チャイムの合図を守ろう」ということはルールにならないんです。キャンペーンはできるけど。ルールとキャンペーンは違うんです。「チャイムが鳴ったら教室に入ろうね」というポスターを作って、壁に貼っておくことくらいはできるけど、まぁ、あんまり役には立たないと思いますがね。
 ルールにできることというのは、全員に関わること。例えば、「窓ガラスを割らない」とか。窓ガラスを割ったら、全員が困る。冬の寒いときに割れた窓ガラスは困りますよ。「教室の道具を壊さないこと」。机を壊されたら困りますからね。これはルールにできます。
 僕が、今の学校を批判している理由の1つは、ルールにできないことをルールにしているということです。そもそもルールとしてなじまないものをルールにしようとしている。これはいけない。
 話を元に戻して、「教室の窓ガラスを壊さない」というルールが決まったとしますね。にもかかわらず、誰かが壊してしまった。ではどうするか。
 その場合にペナルティを決めることができます。そのペナルティは、行為そのものと関係があることが条件です。例えば、弁償して責任を取ってもらうこと。あるいは自分でガラスを買ってきて自分で修理すること。そういうふうに、そのルールと論理的に関係のあるペナルティであるならば決めることができる。普通は、論理的に関係のないペナルティを決めることが多いんです。ぶん殴るとかね、のけ者にするとかね、それらは教育的ではないです。(回答・野田俊作先生)

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