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スレッドNo.366

課題の分離ができない

Q 
 “課題の分離”と頭ではわかっていても、なかなか実行に移せません。親の健康状態の不安、子どもへの不信感、仕事の行き詰まりと荷が重く(野田:暗い生活だな)、毎日気が晴れません。登校拒否でも幸せに暮らせる方法があると話されましたが、その切り換えができません。
 子どもが学校へ行くか行かないかは「子どもの課題」だから、子どもに任せましょうと、“課題の分離”のことを聞きましたが、そうかなと頭ではわかっていても、なかなか実行に移せません。親の健康状態への不安や子どもへの不信感からも抜けられなくて、仕事も行き詰まり気味で荷が重く、毎日気が晴れません。子どもが登校拒否でも親は幸せに暮らせるそうですが、その切り換えができません。

A
 「できません」と言わないでよ、お願いだから。「したくありません」と言ってよ。自分でそう言うんです。「私にはできない」と言うんじゃなくて、「私はしたくない」と言うんです。そうすると“主体的”です。自分が全部決めているから。
 「感情」というのも、自然に発生してくるものではありません。感情は他ならぬこの私が作っているんです。多くの場合は、「縦関係」の中で相手を支配する道具に使っています。マイナスの感情がなくなるにはどうすればいいかというと、「縦関係」をやめて「横関係」になるとなくなります。
 『スマイル』(「パセージ」の前身)を受けられた方は、スマイルの「親子関係質問紙」というのをご存じでしょう。スマイルを作ってから5~6年したころに、自分は最近どうかなと思って、あれをやってみました。よく「うちの子どもが言うことを聞かないで困る」とか、「勉強しないで困る」とか書いてあるけど、「うちの子どもは言うことを聞かないけど、僕は困らない」、「うちの子どもは勉強しないけど、僕は困らない」と書きました。前のほうはアドラー心理学を始める前とほとんど変わらない。言うことは聞かないし、勉強はしないし、だらしないし、片づけもしないんですけど、親はちっとも困らない。そこだけ変わりました。それはなぜかというと、「横関係」になったからです。前は「縦関係」だったから、子どもを自分の理想の子どもに作り変えるという計画が、私の中で密かに、あるいはあからさまに進んでいたんです。その時期には、「私の理想と違う!」と、いつもムカムカしていたんです。理想から引き算をして、「ここがまずい」「この点が理想じゃない」と思っていた。でもあるとき、私は考えました。「理想の子どもってどんなんだろう?」。まず、学校から帰ったら、言われなくても当然宿題をする。宿題が終わったらすぐに台所に飛んできて、「お母さん、お手伝いしましょうか?」と言う。私がボーっと座っていたら、「お父さん、肩をもみましょうか」と言う。お風呂も自分で入れて自分で入る。布団もちゃんとたたむ。自分の洗濯物が乾いたらさっさと持っていってタンスに片づける。成績はどんどん上がっていく。友だちはいい友だちばっかりで悪い友だちとはつきあわない。テレビも良くない番組になると、パッと消す。新聞は、政治面とか国際面しか見ない。漫画なんか読んだことがない……。そんなの病気ですよ、もしほんとにいたとしたら。そういう子どもが「理想の子どもだ」とみんな思っていませんか?そこから引き算して、「うちの子どもはあれが足りない、これが足りない」と言うんです。そうすると、「感情」が起こります。これが「縦関係」の場合です。
 そうではなくて、今、目の前にいるこの子しかいないわけで、この子とどうつきあっていくかが問題なんです。その子の伸びたい方向に伸ばしたい。その子が例えば、「漫画家になりたい」と言ったら、「まあいっぺん、漫画家になってごらん」と思うし、その子が「エンジニアになる」と言ったら、「エンジニアになってごらん」と思う。「しばらくプー太郎する」と言えば、「まあそうしてごらん」と思う。それはそれで引き受けておいて、その上で、どんなふうに良い関係を築くかを工夫し始めるんです。
 それは、完全にではなくても「横関係」でないと、なかなか動かないんです。けれども、「そうしたくない。まだまだ縦関係でいたい」と言うのなら、OKです。私の人生ではないから。その人が、「やっぱりアドラーをやろう。もう今までの育児法とか今までの家族生活の方法は愛想が尽きた、やめよう」という実が熟すまでは、アドラー心理学の新しい芽は接ぎ木できないから、もう少し熟させましょう。精も根も尽き果てて、古いやり方にうんざりしたら、きっとまたこれをやりたくなります。(回答・野田俊作先生)

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