3つの質問
Q
1)ことごとく「イヤ」と言う子には?
2)1人の数人でいじめる子どもには?
3)親が怒鳴り込んできたら?
Q 保育所の5歳児のことです。私が「○○しよう」と言うことに対して、ことごとく「イヤ!」と言う子どもがいる。
A してほしくないことを次々要求すればいいんだ。「オモチャで遊ぶのやめて」と言えば「イヤ」とオモチャで遊ぶ。「もっと遊ぼうよ」と言うと「イヤ」とやめるかもしれない。
Q その子の行動に着目しないでいるといつまでも集団に入ってきません。どうしたらいいですか?また、1人の子どもを6,7人で言葉で否定し追い込みいじめている場面で、私はどうしたらいいでしょうか?いじめている理由は、その子がすぐ泣くイヤな子なんだそうです。もう1つ、保育所で1歳児の子どもが喧嘩で噛まれました。親が怒鳴り込んで来て、「相手の親を出せ」「二度と怪我をさせるな」と言われた。どうしたらいいでしょうか?
A
3番目から言います。まず、「怪我をするのはいいことだ」と思ってください。強く。「子どもは人に噛まれて怪我をすべきだ」と。「転んで擦り剥くべきだ」と。どうしてかというと、危険に備えるワクチンなんです。小さいとき予防接種をしましたね。あれは、弱い細菌を体に入れると、ほんとに強い細菌が来たときそれに対する抵抗力ができるからです。危険もそうで、ちょっと怪我したりちょっと噛まれたりしていると、そういうことに対してだんだん抵抗力ができて、噛まれないようにふるまう、転ばないようにふるまうようになる。大怪我しなくなる。小さいときに小さい怪我をしてない人は、大きくなってから大怪我をする。だから、「小さいころに怪我をするのはすごくいいことだ」と、まず強く確信し思い込む。
親が怒鳴り込んで来たら、「どうしてうちの子を怪我させたの?」「良かったでしょう」「どうして?」「これは危険に備えるワクチンです。小さいときにこうやって怪我をすることで、この子の一生は保障されるんです」と断言する。これがプロフェッショナルというものです。そこでビクつくからつけ込まれる。もっと確信を持って保育してほしい。学校の教育もそうです。ちゃんと正しい理論を学んで、「これでいいんだ」と、親に教えてあげないといけない。
この親は不安な子育てをしているみたいです。「あなた、そのまま子育てしていると、子どもは将来大怪我をするよ。小さい怪我をたくさんさせないといけない。友だちと喧嘩させなければいけない。怪我させられないといけない。そしたら怪我しない方法を学ぶでしょう」と言ってあげてください。そうして迫力ある保育士さんになろう。
次ね。人の子どもを6,7人が言葉で否定し追い込みいじめている場面で、私はどうしたらいいでしょうか?
これは子どもたちとお話しないとしょうがない。子どもに訴えかけるのに効果的なのは、「物語」をしてあげること。おとぎ話・絵本とかの朗読をしてあげる。これに関係のあることを取り上げてあげる。子どもの記憶の構造は、物語は覚えるけど、物語になってないものは覚えにくい。桃太郎さんのお話はすぐ覚えるが、先生がお説教したのは記憶しにくい。それに関係のある話を探してください。それはそっちがプロだから自力で探してください。
それから、「~しようと」ということに対して、ことごとく「イヤ」というのは、主導権争いしているんですね。権力闘争している。上から出てこられると思っている。「おもちゃ片づけよう」と言うと、子どもは、威張っていて向こうが上だと思っている。それに従うと負けだと思っているから、言い方を工夫すると動いてくれると思う。よその大事な王子様王女様をお預かりしているんだから、もう少し召使いらしく出たほうがいい。そしたら動いてくれるでしょう。(回答・野田俊作先生)