産業カウンセラー
Q
産業カウンセラーについてどうお考えでしょうか?マクロな会社側に立った考え、ミクロな個人のための考え。現状はどう作用しているのでしょうか?
A
現状はどう作用しているか知らん(笑)。産業カウンセラーさんと個人的なつきあいはあるけれど、実際に会社の中で動いているのに立ち会ったことはないし、どう作用しているか知らん。同様にスクールカウンセラーも個人的なつきあいはあるけど、現場によってみな違うと思う。
私は、個人的な考えとしては、カウンセラーは弁護士と同じものだと思っている。個々のクライエントさんの側に立って、会社なり学校なりに対してクライエントさんを保護するために相談に乗るものだと思っています。が、今の制度はそういうふうにできていなくて、会社なり学校なりの側にカウンセラーがいて、会社や学校の都合のいいように個人を改造するお手伝いをするという制度になっています。
昔、ミッシェル・フーコーが批判したとおりです。かつて精神科医が国の手先になって、精神科の患者さんを国に都合のいい治安維持と生産性向上に向いた人間に改造する役割だったように、今はカウンセラーたちが会社や学校という小さな権力の手先となって、民衆を抑圧するエージェントになっている。それではいけないが、まあそれも、会社の考え方とかカウンセラーさん個人の考え方で、現場ではさまざまあるでしょう。(回答・野田俊作先生)