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スレッドNo.538

心理学は「底」でつながっているんでしょうか?

Q
 「心理学、カウンセリングで、底につながっている部分がある。それがわかれば、どんなとき、どんなところでも対応できる」と言っている人がいるんですが、ほんとにそんな原理があるんでしょうか?

A
 ないと思う。心理臨床学会という学会があります。だいたい日本のプロカウンセラー全員が入っている巨大な学会です。そこの主流はユング派とロジャース派です。特にユング派の人はカウンセリングというのは究極的には全部一緒だと主張している。ユング心理学の原理にもとづいて。
 ユング心理学というのは曼荼羅(マンダラ)のような構造をしていて、大日如来がいて観音様がいる。あんなふうに、アドラーもいてフロイトもいて真ん中にユングが大日如来のようにいる。ユング自身がそう考えていたので、彼らもそう考えている。そのおかげで、日本では全カウンセラーが集まって話ができる場所がある。ユング派は、いいかげんと言えばいいかげん。包容力と言えば包容力。無節操と言えば無節操。寛容と言えば寛容。両面性があるとことろがユングです。そのおかげでみんな集まる。それは感謝しないといけないけど、でもやっぱり違うと思う。
 アドラー、ユング、ロジャース派は比較的古いタイプのカウンセリングです。今、家族療法、短期療法という新しいタイプの人たちがだんだん増えてきた。その人たちが最初、心理臨床学会で発表したとき、ユングやロジャースの人はたまげた。僕はもともと家族療法だったからびっくりしなかった。だって、お客様の話を聞かないんだもの、まず。「答えは僕たちが知っていてあなた方は知らない。知らない人の話をいくら聞いてもしょうがない。あなた方はこうすればいい。それがイヤならここへ来なければいい」と。子どもが家庭内暴力だ。「よし、家族全員で押さえつけて暴力をふるうたびに5倍も10倍も返そう。登校拒否、そんなん簡単。全員で連れ出して学校へ放り込んでくればいい」。まずいことに、それで実際よく直ったんです。ユングやフロイトやロジャースの人はびっくり仰天して、あんなのはカウンセリングと違う。なぜなら、「お客様の話をよく聞くのがカウンセリングだし、気持ちをよくわかるのがカウンセリングだし、隠された心理を分析するのがカウンセリングだから、どれもしないのはカウンセリングではない」と言いました。
 でも今、家族療法、短期療法も思春期を過ぎてきた。それらができた最初の時代は、彼らも張り切っていて相当無茶な治療をやった。今はさすがに子どもを全員でぶん殴るとか、紐で縛って車に押し込んで学校へ放り込んでくるということはしなくなった。しなくなったということは、じゃあ家族療法や短期療法がフロイトやユングに近づいたかというとそうではない。彼らも成長して、話をよく聞くとか気持ちをわかるとは全然違う原理でカウンセリングを組み立てたということです。
 今、大きく分けたら、古いタイプのカウンセリングと新しいタイプと2つしかないけど、将来3番目ができるかもしれない。

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