人間関係の距離
Q0299
40歳代の男です。人間関係には距離が必要だと最近思うようになりました。中学校(職場)では生徒とかかわれと盛んに言っていましたので、かかわるクセがつき、自分の子どもにも触りに行ったりすることがいいことだと思っていたのですが、どうもイヤがられているようです(野田:女の子じゃあるまいな)。触っていないと不安というか人間関係ができているという実感が湧かないのでやっている自分に気づきました。以前「山嵐のジレンマの話」を読んだことがありますが、そのときはわかりませんでした。今、人には適切な距離が必要だと思います。何かヒントを。
A0299
家庭の話題なんですがね、私は子どもが呼べばいつでも応える父親でいようと思ってきた。「お父さん相談がある」と言えば「OK」で行こうと思っている。呼ばなければ全然かかわらない父親なんです。その代わり、窓口は開いている。お客が来なかったらそれまで。ニードのないところに商売はできないから。だから影の薄い父親ではないみたい。
私の娘は東京都の某所に住んでいる。住所もよく知らない。手帳には書いてあるけど。電話番号も、携帯電話に記憶させているけど覚えていない。こっちからかけたことはほとんどない。もちろん家へ行ったこともない。向こうからときどき金の無心でかけてくる。それくらいしか連絡ない。最近用事があってかけたら、電話が切られている。料金不払いで。でも何も言ってこないから別に援助はいらないと思って、放ってある。そしたら娘にとってあの親父は不必要かというと、そんなことない。いよいよ困ったらうちへ来る。向こうが来たときは精いっぱい対応してやろうと思ってきたから。そういう距離の取り方が、特に女の子が相手の場合、父親としてはうまいやり方だと思っている。女の子たちは中年のおじさんが嫌いなんです。親父を含めて。臭いし、何かイヤらしそうだし。そう思われているだろうと思う、向こうからこっちは。いくら努力したってね。だから、彼女らとしては金づるとか世間のことを知っているおじさんという役割で利用したいだけなんです。それじゃ利用されてあげようよ、そのへんでしっかり。そんな感じでつきあっています。
男の子もまあ原理的には同じで、こっちから積極的にあれしようこれしよう、遊びに行こうとかいう感じではつきあえなくなりますよ、小学校へ上がったくらいから。向こうから「買い物に行くからついて来て」とか、「一緒に選んでくれ」と言えばつきあいます。だから受け身なんです。そのほうが賢いと思います。(回答・野田俊作先生)