世界の中での役割、世界の流れ
Q
アドラー心理学のカウンセリングでは、クライエントが世界の中でのその人の役割を果す方向に向かえるようにする専門的援助と考えていいでしょうか?もしそうなら、カウンセラー自身、世界の流れを意識しているということですか?
A
世界の流れを意識したいものですね、はい。たいていそんなことを望んでくれないんですよ。みんな自分とこの子どもの操縦法とか、自分の亭主のたぶらかし方とか訊きにくるから、商売ですからうちに在庫があれば売るんです。貞操観念も何もなく、金さえもらえば。こっち側に売りたい商品があるんですが、たいていの人はそれは全然買いたがらない。OK。そんなもんです。昔、お釈迦様のところへもいろんな人が来まして、みんな「いいところへ生まれ変わるにはどうすればいいですか?」と訊くんです。お釈迦様は「いいところへ生まれ変わること」なんか何も興味なかったんですが、とても丁寧に答えられました。あれはお布施があったからですね。