野田先生の質疑応答
Q675
気になることが起こったとき、質問しようとかクライエントに出てみようと思うのですが、その問題を論理的に言語化して説明しようと思い、頭の中で整理していると解決してしまうことがたびたびあります(当たり前や)。しかし自分で解決してしまうということはやはりいつものパターンで間違っている可能性もあるように思います。こんなふうにして質問したり相談したりするタイミングを逃してしまうことがよくありますが、どのタイミングで人に訊いたらよいのでしょうか?
A675
論理的に考えても解決しないときは?論理って何か?ちゃんと筋道立った論理って何かというと、自然に見えている現象の裏側にある法則を写したものだと思っているんです、科学者たちは。で、表に出てきている現象はさまざまで、非常に多様でとりとめなくいろんなことが起こるんだけど、その後ろには凄い単純な法則がある。それを僕は自分の日記やホームページに書いたんだけど、例えば駅で電車から降りて歩いて行くたくさんの人たちの群れとか、川の流れとか、電流とか扇風機から渦巻きながら出てくる風とか、そういうのが全部同じ方程式で書けるんんです。凄い単純な方程式で書けるんです。原理というのは凄い単純なもので、そこから多様な現象が説明できる。まあそんな方程式ほど緻密な論理を僕たちは組み立てないけど、何か出来事が起こったら、じっくり理屈立てて考えてみるじゃないですか。そうすると今起こっていることの中の法則がわかって、法則がわかると答えが出るんです。公式を見つけたから。答えがわかったから、さしあたってその答えでやってみて暮らせるなら、それでよろしいがね、無理に相談せんでも。論理で考えるのに答えが出ないときもあるんです。そのときは二つ可能性があって、一つはその論理が間違っているときね。公式が間違っている可能性がある。公式が正しくても出ないときは、人間の力を超えているときね。人間の力を超えたことがこの世にたくさんあります。人間の力を超えている事柄についても訊いてもらえば、「それはあなたの課題ではありません。例えば、「職場の上司がもっと私のことをやさしく接してくれればいいのに」とかいうのは、それはあなたの課題ではありません。あなたがその上司とどう接するかが問題です」とか僕が言いますから、それなら問題が解けますがな。だからまあいっぺん冷静に考えてからわからなかったら訊いて。こういうタイプの人は。パッと思っては、「ちょっと思いついたんですけど」というのに一々相手をしていると、私は忙しくてしょうがないから、いっぺんちょっと考えてから訊いてくれるほうが、嬉しいのは嬉しい。