不本意に人の勇気をくじいた場合
Q
いつも、生きることは人との交わりが楽しくできること、気持ち良く過ごせることだと教えていただきありがとうございます。少しは実行できてきたらしくて、トラブルが少なくなりました。
A
ありがとうございます。こういうお話は好きです。
Q
家族、友だちとも楽しい時間が過ごせますし、嬉しいです。まだまだ勇気づけの言葉が下手で、実行あるのみだと思います。自然に長所や嬉しいことをたくさん言える私をイメージして、元気で生き生きしていても、ひょいと相手を傷つけるときがあり、しばらく落ち込みます。こんなとき自分をどう勇気づけたらいいのでしょうか?すぐ気がついて「こめんなさい」と言うときもあります。
A
すぐ気がついて「ごめんなさい」と言うのはいいことですね。こんなこと、しょっちゅうやりますよ。他人の勇気をくじく気がなくても、勇気をくじかれるのが好きな人が世の中にいるもの。そういう人のことまで気にしていると、心がいくつあっても保たないから、その人たちにはせいぜい落ち込んでいただくことにしましょう。「あれは趣味だ」と、私なんか完全に割り切っていていて、こっちが勇気づけるつもりで言ったことをたまたま悪く取って、「あんた、ひどいこと言うじゃないの」と言われたら、「ごめんなさい」と言っておけばそれでいいだろうと思っています。そのへんの感受性は人ごとに違う。
メチャメチャ大事にされて育った人は、勇気くじきに弱いです。みんなが勇気づけてくれて当然と思っている。そういう人たちは、高橋さと子さんに言わせれば「傲慢」なんです。勇気づけてくれないだけで「勇気くじきだ」と言いますから。僕らは、どこまで行っても金太郎アメで、いつもニコニコで暮らす気はない。いつも故意に人を傷つけることはやめよう、罰することで他人が変わると思うのはやめようと思っているけど、ゴマをすって生きようと思っているわけではない。(野田俊作)