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スレッドNo.833

内面の美

Q
 最近世界的に、内面的の美しさよりも外面的な美を大事にする傾向がありますが、これについて意見はありますか?

A
 別に意見はない(笑)。きれいなお姉ちゃんは素敵なことだと思う。個人的なことはともかくとして、アドラー心理学の立場から考えると、現在の状態が具合が悪くて、将来の状態が具合良くて、相対的プラスに到達しようとする。現在が相対的マイナス。「人間というのは相対的マイナスから相対的プラスへ行こうとするんだ」とアドラーは言った。アドラー心理学はいつも到達の方法・手段にかかわっている。例えば育児の問題を取りあげると、子どもを最終的に学校の成績を良くしたいとか、運動を上手にしたいとか、友だちとちゃんとつきあえる子にしたいとかいうふうに親が願っているとして、僕たちはそれに反対しない。いいことですから。ただその方法として、強圧的な方法、賞や罰を使う方法、子どもの意志を無視した方法は困ると言うんです。
 究極的な価値観、何がいいことか悪いことかは個人の哲学だから、アドラー心理学がかかわれる問題ではないだろうと思う。お仕着せで「これは良いことです。これは悪いことです」という言い方はやめたいと思う。価値観というのは、善い悪いの判断、美しい醜いの判断など。学校でお勉強ができるのはよいことだと親が思っていたら、それは親にとってよいことで、僕らがそれに反対する筋合いはない。お勉強なんかどうでもいい、運動さえできればいいというのも、それはそれでいいことで、反対する筋合いはない。
 同じように、外面が美しいのはいいことだと誰かが思っていたら、それに賛成する筋合いも反対する筋合いもないので、それはそれで結構。ただ、そういう目標を達成するための手段が適切な方法であってほしい。まわりの人に迷惑かけない方法であってほしいと思う。
 この話題は、個人的な価値判断の問題で、別段そう一生懸命にみんなで考えなくてもいいんじゃないか。内側のことは放ったらかしてでも、心の中はドロドロでも、見かけさえ良ければそれでいいと主張している人がいたところで、社会問題ではないだろう。ただ、私の好みではない。内側さえきれいなら外側はばっちくてもというのもあんまり好みじゃない。(野田俊作)

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