寝たきりの父親を母が1人で介護
Q
脳卒中の患者には入院も在宅も医療効果にそう変わりないと聞きました。私のうちには寝たきりの父親がいます。公的機関の助けを借りながら、母が1人で父の看護をしているので、ときどき「看護を代わろうか」とたずねますが、いつも母の話を時間中ずーっと聞いて終わるだけになっています。何時間も聞くと疲れて、結局何もしないで帰ります。結局こんなもんでしょうか?
A
こんなものでしょうね。看護している方のお話を聞いてあげるのもすごい大事なことです。自分がその立場になるとわかるけど。「何かできることある?」と、ときどき聞いてあげてください。
寝たきり老人になっても、そりゃおうちにいるほうがいいよ。エアマットレスとかウォーターベッドとか置いて、ときどき訪問看護してもらったりして、家族と一緒にいる。家族は大変ですけど、まあお互い様ですよ。それが家族というものじゃないですか。
結婚式にときどき行くんですが。なるべく私を呼ばないでくださいね。きれいなお嫁さんもそのうち垂れ流しになるんです。ババアになってしわくちゃになってシミが出てきて、きれいなおっぱいが全部垂れ下がってくる。そのときにご主人は、この奥さんをまだ今と同じように愛していられるかどうか?旦那だって、そのうち頭はハゲて腹はでっぷり出て脂ぎってくる。そのうち脳卒中を起こして半身不随になる。それでも奥さんはこの人と一生連れ添おうと思えるかどうか?そこがもしもはっきりしないんだったら、今だったら間に合いますから、別れましょう。
結婚するというのはそういうことなんです。若くてきれいな相手と結婚するんではない。将来垂れ流しになるであろう、ハゲになるであろう相手と結婚するんです。その人たちが「お互い最後まで面倒見合って生きようね」という決心なんです。だからそうしようよ。おじいさんになってもおばあさんになっても最後まで面倒見るし、まあ親の面倒も見てあげましょうよ。僕たちも子どもに面倒見てもらわないといけない。順送りなんだから。僕らが親の面倒見ないでいると、子どもたちも見てくれないだけです。(野田俊作)