いじめる子、いじめられる子
Q
いじめる子、いじめられる子について何かお話しください。
A
難しいねえ。言うと何かきっと誤解するでしょう。というのは、世の中で「いじめる子は悪い子で、いじめられる子はかわいそうな子」ということになっている。「いや、そんなことはないんですよ。いじめられる子もきっと結構やっているんですよ」。そう言うと「あの先生は冷たい」と言われる。だからその論争をしたくない。
あれはコミュニケーションの中で起こるんです。いじめる子もコミュニケーションが下手。いじめられる子も下手。だから、いいコミュニケーションの仕方を教えればいい。いいコミュニケーションを教えるということが学校の先生の頭の中にない。親の頭の中にない。クラスで人とつきあうための基本的な方法を教えていかないといけない。昔APPLEという教材を作った。失敗だった。教材そのものは良くできている。付属のテープをプロに頼んだ。これが失敗だった。
子ども用にアドラー心理学をわかりやすくアレンジした教材をそのうち作りたい。皆さん方も考えてください。ホームルームや道徳の時間にやったらいい。やっている学校もある。子どもは喜ぶ。頼み方、断り方、相手を傷つけないで話を聞く方法、勇気づけの仕方とかを子どもたちに教えれば、いじめたりいじめられたりする必要がなくなるでしょう。(野田俊作)