昭和万葉集 野田俊作
昭和万葉集
2002年03月03日(日)
『昭和万葉集』という短歌のアンソロジーがあって、全20巻だかの壮大な仕事だ。むかし、全巻持っていたのだが、別居から離婚に向けてのドサクサの最中に古本屋に行ってしまった。その後、とても残念に思って、太平洋戦争と戦後の3巻を古本屋で見つけて買い戻した(元の本じゃないけれどね)。安い値段しかついていなかった。やはりこういうものは売れないのだ。
※注:アンソロジー(anthology)とは、一般的には、複数の作家が特定の題目(テーマ)で手掛けた作品をまとめた「選集」のこと。あるいは、同一作者の作品群から特定の基準で選りすぐった作品集のこと。
アンソロジーの語源はギリシア語の「アントロギア」(anthologia)である。anthos + logia という構成の語彙で、そのまま英語に置き換えると「flower collection」つまり「花束」を指す意味となる。
古代ギリシアにおけるアントロギア(anthologia)は、もっぱら「詩集」を指す語であったが、現代では短歌や短編小説、マンガ作品などの選集もアンソロジーと呼ばれている。
その後、講談社現代新書から『昭和万葉集秀歌』3巻が出た。東京の事務所に持っていって、置いておいた。手元にもほしいと思って書店を探したら、絶版になっているようだ。そこで、今日、東京のを、持って帰ることにした。新幹線の中で読んでいたが、やはり精選されたよい歌が多い。戦争に関する歌が圧倒的にいいのだが、今はそういう陰気なのはやめて、春の歌をいくつか書いておく。
春ここに生まるる朝の日をうけて山河草木みな光あり 佐々木信綱
静かなる雲の流れと思へるに木の間をくだる霧は速しも 岡井弘
梅林を深く来しとき陽のさして盛りの花は照り出でにけり 高見楢吉
春寒き風の行くへに光あり一樹の梅は花のま盛り 西郷春子
ちる花はかずかぎりなしことごとく光をひきて谷にゆくかも 上田三四二
確定申告/指輪物語の読者
2002年03月04日(月)
大阪国税局のホームページに確定申告のためのエクセルのマクロがある。それを利用して申告書を書いた。一瞬でできあがった。帳簿はとても苦手で、昨年まではかなり苦労したのに、いったいあれはなんだったんだろう。昨年は、印税収入がほとんどなくて、とてもシンプルな申告書になった。今年はなんとか新しい本を書きたいものだ。冬の間にメドをつけるつもりだったが、あれこれ雑用をかたづけることで終わってしまった。ともあれ、明日は税務署へ行こう。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』を下見に行った。パートナーさんにお勧めするかしないか決めないといけないのでね。大阪のミナミの繁華街の映画館で、12時20分に始まったのだが、映画の中身はともかくとして、年配の観客が多いので驚いた。『指輪物語』の和訳本が出たのは、たぶん30年も前だから、そのころ読んだ人たちなんだろうな。しかし、それにしても、当時30歳でも今は60歳だ。もっと高齢の方々が多かった気がする。息子や娘が読んでいるのを読まれたのだろうか。
一方、若い人はあまりいない。この映画、あまり流行らないかもしれないな。だって、3日に封切で、今日はもう座れたんだもの。
不整脈
2002年03月05日(火)
昨夜から不整脈が出てつらい。不整脈は、初発は中学生のころだと思うので、もう長いつきあいだ。両親とも不整脈があるので、遺伝的なものだろう。危険な種類のものなら今ごろ死んでいるはずだから、命に別状はないと思う。しかし、心拍出量が減るので息苦しいし、少し歩くと脚がだるいし、安静にしていると脈が飛ぶのが感じられて不快だ。このつらさは、経験のない人にはわからない。まあ、どんな病気でもそうだと思うし、つらさを知るために病気してみようとも思わないが。薬を服んでいるのでふだんは抑えられているのだが、過労や深酒で出てくる。両方とも覚えがあるので、昨夜も今日も酒をやめて、いい子にしている。
今日は休みたかったのだが、心理治療の予約があったので出勤した。こういう日に当たるお客さんは気の毒だ。文字どおり「息も絶え絶え」の治療者なんだから。他の心理療法家はどうだか知らないが、私は、声をコントロールすることで、さまざまの仕事をする。ところが、不整脈で息の調節が難しいと、それがもうひとつうまくいかない。だから、お客さんの「ノリ」が悪い。でも、体調が悪いからって断るわけにもいかないし、せいいっぱいは働いてきた。明日は休みがとれる。なにもしないですごそう。
禁酒
2002年03月06日(水)
今日で3日、飲酒していない。意志の力で飲まないのであれば、ちょっとエラいかなと思うのだが、体調が悪くて飲みたくないだけのことだから、自慢できることではない。不整脈は、今日はすっかり落ちついている。しかし、なんとなく全身がだるいようで、本調子でない。
仕方がないので、家にいて、ビデオの整理をしていた。2000年の夏にフィリピンのセブ島でパートナーさんが撮った水中ビデオをパソコンに取り込んで、切り継ぎしたり字幕を入れたりしている。パソコンに取り込むと、字幕は簡単に入れられる。必要があればアフレコもできるし、CDから音楽を取り込むこともできる。しかし、IEEE1394ボードにおまけでついてきたソフトはきわめて不便だ。Adobeから新しいビデオ編集ソフトが出たそうだから、買おうかな。それにしても時間がかかる、1日がかりで、やっと20分ほどの分が編集できた。全体で60分程度に仕上げようと思っているが、編集に3日かかり、その後でaviファイルに戻すのに丸1日かかりそうだ。これは暇人でないとできないな。
体調はかなり回復しているので、夕飯を作った。中華料理だ。硬いヤキソバと、回鍋肉huíguōròuと、中華風チキンスープと、ブロッコリーとトマトのサラダ。そういうものを食べたくなるほど元気になってきているということだ。