シカゴ(6)
存在しない一日
2002年05月26日(日)
アメリカ中西部時間5月26日(日)午前7時にホテルで目覚め、8時にホテルを出て、12時の飛行機に乗ったが、そのときは日本時間だと27日(月)午前2時だ。だから、26日日曜日は存在しなかったも同然で、書くことがない。
シカゴ(6)
2002年05月27日(月)
飛行機は12時ちょうど発なのだが、ホテルでウロウロしていてもしょうがないし、ホテルは空港の近所にあってまわりには何もないし、8時すぎに空港へ行った。搭乗手続きに行くと、「早起きは三文の得」とはよく申したものでありますな、「ビジネス・シートにさせていただいてよろしゅうございますか?」と言うではありませんか。ええ、ええ、よろしゅうございますとも。そういうわけで、12時間の飛行を、ゆったりと楽しめた。といっても、寝てばかりいましたがね。でも、寝心地がまったく違うんですよ。現地時間26日日曜日正午、日本時間27日月曜日午前2時にシカゴを発って、日本時間月曜日午後2時に着いた。メラトニンという、日本には売っていないがアメリカだと普通の薬局で売っている時差調整薬を服んだので、時差ボケは感じない。成田から大阪行きの飛行機を待ちながらこれを書いている。大阪行きは午後6時発で、いやになるほど時間がある。
アメリカのアドラー心理学は元気だ。もっとも、質的に変化しつつある。私の先生のシャルマンなどの、精神分析の匂いを残したやり方はもう顧みられなくなって、短期療法だの構成主義だの、最新流行の方法とドッキングした考え方が主流になってきている。これは、薬物療法の進歩で、神経症や精神病の心理療法が話題にならなくなったことと関係があると思う。アメリカの心理療法は、健常人の日常的な問題の解決に特化してきている。病気の患者さんを長い時間かけて相談するというようなことは、アメリカの心理療法家は、もうしなくなっているようだ。
シャルマン先生と私のユダヤ・ママのドロシー・ペヴンが共著で本を書いた。事例集で、古典的なアドラー心理学的心理療法を、とても美しい文体で記述してある。精神病者や性格障害者を、とても長い時間ていねいにつきあって、いい治療効果をあげている。ドロシーが「あなた、訳すのよ」と言って、私はちょっとシブっていたが、飛行機の中で読んで、これは自分で訳してもいいなと思うようになった。文体の美しさが気に入ったこともあるが、アドラー心理学の歴史の中で、精神病者の長期療法について書かれる最後の本になるかもしれない。シャルマン先生にとっても最後の本になる可能性が大きい。彼はもうすぐ80歳だもの。だから、長年の学恩へのお礼のつもりで、翻訳させてもらってもいいなと思っている。誰か手伝ってくれればだが。
姑
2002年05月28日(火)
パートナーさんよりも一足早く帰宅した。彼女は帰ってくると、「職場の上司と食事に行ってもいい?真理香(娘)も誘うから。あなたの食事だけ、ご自分でお願いね」と言って出て行った。そこで、自分の食事を作っていると、姑さんがあがってきた。
姑:先生(彼女は私をこう呼ぶ)、真理香の食事も作ってくださっているんですか。
私:いいえ、自分の分だけです。真理香ちゃんは、一緒に食事をするんだそうです。
姑:そうですか、真理香の分まで作らせているんじゃないかと、心配で来てみたんです。ほんとうに気ままな娘ですみませんね。
私:いえいえ、かまわないんですよ。
彼女の感覚では、男女共同参画というのは、女のわがままに見えるのだ。私は、ちっともそうは感じないんだけれどね。
初恋の来た道
2002年05月29日(水)
張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『初恋の来た道』という映画のDVDを先日東京で入手して、昨日見てしまったので、今日、オフィスへ持っていって、張監督ファンのスタッフに貸した。
別のスタッフが、「あの女の子(主役)はおかしい」と言う。田舎の村に赴任してきた若い男性教師に村娘が惚れこむ話なんだけれど、彼女がとても積極的なのだ。その積極性が、常軌を逸しているというわけだろう。これに対して、張監督ファンのスタッフは、「私の心の中に入り込まないで」と言う。私は、「おかしいとは思わないけれど、ホルモン・バランスの異常かもしれないね」と言って、張監督ファンに恐い眼でにらまれた。
画像の限りなく美しい映画だ。主役も美人だ。しかしね、「おとぎ話」も、ちょっと度が過ぎているように思う。せいぜい☆3つだな。
鳥獣戯画
2002年05月30日(木)
頼藤和寛くんの追悼集会(05/16)に行ったとき、奥様が彼の講演を聞いたことがないという話があって、そこから彼の講演テープがあればダビングしようということになった。帰宅してパートナーさんに尋ねると、昭和60年と思われる講演のテープを持っているという。今日、それをCDに焼いた。奥様にさしあげる他に、研究室にも寄贈しようと思っている。
CDのラベルをなににしようかと考えて、鳥獣戯画にすることにした。インターネットを探していると、ちょうどいい絵がみつかった。おや、これって見たことがあるな。むかし、父の漫画を掲載したことがあるが(2001/03/13)、その中に、とても似たのがある。模写をしたのだろうか、それとも父の記憶の中に残っていたのだろうか。