MENU
63,789

スレッドNo.92

安楽死

Q0317
 安楽死を法的に認めてもらうには、どういうステップが必要でしょうか?

A0317
 僕は昔、日本安楽死協会会長さんと友だちだった。太田○○という産婦人科のお医者さんで、戦前に太田リングという避妊具を発明した。その他、良からぬことをしたので特高警察に捕まって刑務所に入ったりしていた。戦後は安楽死協会の会長さんになった。ある所で知り合って気に入られた。パンフレットをいっぱいもらった。もう亡くなられました。
 安楽死の概念をはっきりさせておきます。積極的安楽死と消極的安楽死がある。積極的安楽死は、お薬か何か使って死んでもらうこと。消極的安楽死は、治療をやめて自然に任せること。
 積極的安楽死はやっぱり殺人だと思う。どうしても。痛いとか苦しいとか言うので毒薬使って患者さんに死んでいただくお手伝いをするというのは、これは多分、今後永久に政府は認めないだろう。認めると、ものすごく危険だから。だから話題になるのは消極的安楽死です。
 例えば、人工呼吸器をはずすとか点滴をやめるとかして、自然の勢いに任せたらどうなるか。これは今、本人が意識がある時点で、かっちりした書類、例えば弁護士が証明しているような書類、遺言状の一種として、を作っておくことと、かつ、責任ある家族がそれに同意すれば可能です。いわゆる尊厳死です。メモに走り書きして「安楽死させてください」ではダメ。医者が治療しても命が救われる可能性がないと思うときには、「積極的治療をやめてほしい」というのを本人が自筆署名して、証人がちゃんとついていて、大丈夫そうだという場合は可能です。医者のほうも訴訟が恐いからね。これは比較的整いやすい。
 でも、いざ患者さんが意識不明になって担ぎ込まれたときに、家族エゴで「まあ、ああ言っていたけどもっと延命してもらいたい」と思って、家族がダメと言うケースが多い。その結果、家族が納得するまでずっと延命措置をすることになる。まあ、寝たきりになって延命措置されても一緒なんですけど、意識があると大変つらい。それくらいの手続きがあれば、現行法でも可能です。
 積極的と消極的の真ん中へんに入るのがホスピスなんです。というのは、ホスピスは明らかに生命を縮めていますから。鎮痛剤や麻薬の大量使用は毒薬ですから、すぐ死にはしないけど、生きている時間というスケールで見ると完全に積極的安楽死に近いところで動いている。ただ、一定の同意があるとき政府は、ああいう積極的安楽死に近いような強い鎮痛措置を、なし崩し的に今のところ認める。今のところはホスピスをやっている病院がうんと良心的だからやっていけるけど、そのうちホスピス業者ができて儲けるようになると、政府ももうちょっと何か言うのではないか。特に麻薬の大量使用はいろんな点で問題があるから。麻薬の流通をうんと盛んにしていくわけだし、それの横流しだって起こりうるし、取り締まりと関係しながら何か言うのではないか。今のところまだ問題にならない。(回答・野田俊作先生)

引用して返信編集・削除(未編集)

このスレッドに返信

このスレッドへの返信は締め切られています。

ロケットBBS

Page Top