“お願い口調”しても聞いてくれないとイライラする
Q
先生が強制的で子どもとの関係が縦の関係になっている。また、子どもや親が担任を選べないというお話は、小学校教師の私に突きつけられている問題だと思います。
子どもに対して「~してくれませんか?」とお願い口調するものの、ほんとは自分の考えているとおりにしてほしいと思っている。そのとおりにしないとイライラしてきて、どうしても罪悪感を持ってしまいます。今までのやり方を全部否定するのは勇気がいりますね。
A
僕たちが子どもに教えようとしているのは、「勇気を持って生きましょう」ということです。そのためには僕たちが勇気を持たないといけない。いっぺん「今までのやり方は間違っていたんだ」というところから出発して考え直してみよう。
その先に作ろうとしていることは、そんなに難しくない。「~してくれませんか」と言って、子どもが言うとおりにしてくれないときには、2つくらいのことを考えます。
1つは「~してくれますか、それとも~してくれますか」と二択で聞く。「静かにしてくれませんか」と言わないで、「教室の中にいるときは静かにしているか、静かにできないなら廊下にいてくれますか」と聞く。そしたらどっちか選べるでしょう。
どうしても相手が、教室の中にいてしかもしゃべりたいというときには、これは目的があってそうしているんです。この場合は、その場は諦めて、あとでゆっくり「なぜ教室の中でしゃべりたいのか」、よくお話を聞く。絶対に理由があるはずです。子どもに「どうしてそういうふうにするの?」と聞いてみる習慣が僕らにないんです。
ある幼稚園に、何でもかんでも一番になりたい子がいた。先生が「なぜそんなに一番になりたいのか」聞いた。他の子をいじめるから。そしたら、「僕は3人兄弟の真ん中で家ではお兄ちゃんか弟が一番になって、僕は一番になれない。だから幼稚園では一番になりたいんだ」。先生が変に納得した。きっと先生も真ん中の子なんだろう(笑)。「この話をクラスのみんなにしてもいいか?」と聞いた。「いい」。「実は○○ちゃんは、家では3人兄弟の真ん中で何も一番になれないから、幼稚園では一番になりたいんだって。どう思う?」。他の子が「それは一番になれることもあるけど、なれないこともあるよ」と言った。子どもは全員納得して、それから問題はなくなったそうです。
最後まで話を聞くと、コロンブスの卵ですね。このことに気がつくまで先生は、とにかく一番になるのをやめさせようとして必死で努力して無駄だった。まず子どもと話をすることね。「なんで教室の中でおしゃべりするの?理由があるでしょう?」。そうすると、きっと何か言ってくれる。
第1段階としてお願い口調もいいけど、いくつかの選択肢をあげてください。その中から選んでもらう。どれも選ばないときには関係がこじれているから、どういうふうにこじれているのか、何が起こっているのか聞いてください。(野田俊作)