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スレッドNo.975

衝動買い    野田俊作

衝動買い
2002年11月03日(日)

 名古屋で講演をしたが、会場がとても寒かった。数日前から寒波が来ているし、会場は広くて天井も高く日当たりも悪く、しかも連休の中日なので聴衆も少なめと悪条件が重なった上に、公的な施設なので11月の後半まで暖房は入れないという。あまり寒いので、昼休みに外へ出てみた。外はいい天気なので暖かいかと思ったが、そう変わらない。近くに大きな楽器店があるのを見つけて、そこに入った。暖房が入っていて、ちょうどいい暖かさだ。
 楽譜を見ていると、Doverというアメリカの出版社のものを特売していて、あれこれ珍しいものが見つかった。こんな会社、聞いたことがないのだが、声楽中心に、ちょっと毛色の変わったレパートリーを並べている。しかも他社より安い。お金を持ってこなかったのでただ見ていたのだが、そのうちどうしてもほしくなって、会場まで帰ってお金をとってきて、プッチーニの『ラ・ボエーム』のピアノ伴奏譜を買ってしまった。3200円という値段に負けてしまった。他社のだと5000円以上する。他にもほしいものがたくさんあったが、ふところ具合と相談すると、これ一冊でせいいっぱいだ。
 名古屋からは新幹線ではなく近鉄線で帰ることにしている。なんとなく新幹線よりも落ちつくからだ。そのかわり2時間以上かかる。電車の中で譜面を見ていた。聴いてよく知っている曲だが、譜面を見るのははじめてで、とても面白かった。帰宅してからは、もちろん、DVDをかけながら譜面を見た。舞台を見ているとずいぶん長い気がするのだが、舞台を見ないで譜面だけ見ていると、とてもコンパクトに作ってあって、短い気がした。
 木曜に東京へ発って、日曜に帰ってくるというのは、普段だとどうということはないのだが、今は疲れてしまって、頭が働かない。何通か書かなければいけないメールがあったのだが、そういうのはすべて明日にのばして、ぼんやり楽譜を見て、あちこち小さな声で歌ってみたりしてすごした。



安息日
2002年11月04日(月)

 なにもしないで一日すごした。なにもしないといっても、夢枕獏『陰陽師:鳳凰の巻』の文庫本をすこし読んだり、お正月に見にいくプッチーニの『トゥーランドット』のDVDを見て予習したり、『野田俊作の旅のページ』に掲載予定の今年の山行・釣行・潜行報告をすこし整理したり、体力を使わないことはいくらかした。なんとなくぼけていて、本を読んでもそれほど頭に入らない。
 ほんとうは、近くでハイキングの会があって、なんでも郷土史家があれこれ説明してくれながら9キロほどを歩くとかで、9キロ程度なら今だって大丈夫だろうと思って、参加するつもりでいたのだが、極端に寒いし風も強いし、やめにした。別に予約もなにもいらない集まりで、当日集合すればいいだけのことだったから、やめてもだれにも迷惑はかけないしね。しかし、こんな天候でも参加した人がいるのかしら。
 パートナーさんは勉強会で出かけて夕方まで帰ってこないので、夕食を作ろうと思ったが、手の込んだものはいやなので、ちょうど寒いし、鍋にした。今年後半の鍋始めだ。子どもたちは出かけていないので、2人で食べた。昨夜来の風もおさまって、静かな夕方だった。



昔の論文
2002年11月05日(火)

 ある学術誌の最新号を読んでいたら、20年前に私が書いた論文が引用されているのを見つけた。残念ながら心理療法関係の論文ではなく、薬物療法関係の論文だが、それでも嬉しかった。ある疾患に対して、その疾患とはまったく関係がない別の疾患のために使われていた薬物が効果があるということを書いた論文なのだが、発表当時はまったく注目されなかった。まさか20年も経って注目されるとは思わなかった。息長く生き残る論文を、すくなくともひとつは書いたわけだ。
 学術誌はよく読む。学会誌が和文4つと英文1つと独文1つ、一般の精神医学・臨床心理学関係の雑誌が和文2つと英文3つ、定期購読しているのだが、目次を見て、面白そうなのはすくなくともサマリーは読んで、特に面白そうなのは中身も読む。アドラー心理学以外の世界と疎遠になっているので、せめて雑誌だけでも丁寧に見ておこうと思っている。
 多くの理系出身者がそうなのではないかと思うのだが、研究室にいる時代に雑誌を読む習慣をつけられる。教科書は記事が古すぎて役に立たないのだ。特に私は、ゼミで新着雑誌の面白い論文を探す係をしていたことがあって、その時代に関係分野の新着雑誌を網羅的に見る習慣がついた。和文・英文だけじゃなくて、ドイツ語もフランス語も、はてはロシア語の雑誌まで読んでいた。あるとき大学の図書館から問い合わせが来て、「ロシアの医学雑誌を購読中止にしたいがいいか?」と言う。どうして私に聞くのか尋ねたら、私しか借り出していなかったのだ。
 今はロシア語はもちろん、ドイツ語もまともには読まない。1つだけ定期購読しているドイツ語雑誌は英文のサマリーがついているので、これを読んでいる。面白そうだと中身まで読むが、幸か不幸か、めったに面白い論文は載らない。むかしはドイツ語にもロシア語にも面白い論文があったんだがね。アメリカ化が進んで、大切なことはすべて英語で書かれる時代になってしまったということだろう。

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