夫が退職してからの暮らし方
Q
来年古稀を迎える夫婦です。夫はまだ会社に行っていますが、やがて退職を迎えます。友人・知人を見ていると、妻が夫のお守をしている感じの夫婦が多いように思います。私は、お互いが対等で趣味も一緒のものと別々のものとあって、お互いの自由も尊重していけたらと希望しています。どんな心がけが大切でしょうか?子どもはみな自立していて、同居しないと思います。
A
老年期になるというのは、人生の最後の発達段階を迎えることですね。社会に対する建設的な貢献的な活動からすべて身を引くと老年期です。会社へ行ってたらもちろん建設的で貢献的です。会社を辞めてもそれはできる。近所の老人会の世話役をするとか、子どもたちに何か教えるとか、自分が何かお勉強を始めるとか。趣味の世界に没頭するだけとか、毎日池へ鮒を釣りに行くだけでは、建設的でも貢献的でない。このごろ池が汚れてきたから、池をきれいにする運動をするとかすると、建設的で貢献的です。何か社会に対してプラスの作用を及ぼそうと、自分はやがて死んでいくけど、あとに残る人たちにちょっとでも役に立っておこうと思うと、老年期に入らなくてすむ。
つまり、「初老期のままで」一生いられる。そしたらボケないし、保障しませんけど、たぶん癌にもならない。心理学の側から他人が癌になるのを見ていると、生体が自さつしようと思うとき癌になるなと思う。何かイヤになっちゃったとき。「定年になって悠々自適に暮らそう」と口先では言うてるものの、実際は何も夢もなくてぼんやりと暮らしていると、ちゃんと、「もういいだろう」と体が癌になってくれる。配偶者に死なれたとか、子どもに裏切られたという感じを強く持っていて、イヤだなと思うと、体が癌になってくれる。ボケもそうで、あれは体は残るけど心のほうが自さつするということですね。
そんなにならないように、いつもこの世に夢と希望があって、自分の役割があって、自分の場所があって、自分の貢献できることがあるように気をつければやっていける。そんな計画を話し合われたほうがいいのではないですか。(野田俊作)