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スレッドNo.136

私の一句

私の一句
まだ見たきもののありけり初御空

曲がりなりにも俳句を趣味にするなら、せめて年賀状に一句添えるぐらいのことはしたいと思い近年の恒例としている。
 山本健吉先生は俳句の三要素として、挨拶、即興、滑稽を挙げておられる。また挨拶句の名手としては虚子の名が真っ先に上がる。
何も大虚子を引き合いに出すことはないのだが、この挨拶句、実のところ小生の手には負いかねる代物なのだ。どうしても相手を褒め、言祝ぐ必要があり、ことに年賀状であれば、陰隠と寂しいのは論外だ。いきおい俳句の出来は二の次、目出度づくしの言葉の羅列に終始し、客観写生どころではなくなってくる。かくして類型俳句の見本のようなものが毎年毎年出てくる羽目になる。その悪戦苦闘の歴史の中で、平成二十七年の年賀状に添えた冒頭の句が、まあ自分としては気に入った部類に入ろうか。
何時の日か生涯の一句を、と思ってはいるのだが、さてどうなることやら。(この稿は俳誌「白桃」に掲載されたものに加筆したもの)

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