選句の感想
てつをです。
小生の選句の感想です。
3,山茶花の散り敷きて紅なほ失せず
咲く花の数が減ってしまった冬の間、庭を鮮やかに紅く彩ってくれるのは
山茶花です。花弁が散り続いても次々と新しい花が咲き続けます。
この句は、散り敷いた花弁が色失せず紅を保っている状況を詠んだのか、
それとも散っても散っても新しい紅い花を着けていく状況を詠んだのか、その
両方を詠んだのか、いずれにしても実景を素直に詠んだ良い句だと思います。
12,田の煙真直ぐに上る今朝の冬
立冬だと言うのに風のない穏やかな朝を迎えた。お百姓が朝早くから田で収
穫後の片付け作業をしている。野焼きをしているのであろうか。「田の煙真直ぐ
に上る」の措辞がその様子を見事に表現しているように思います。この句も実
景を捉えた佳句だと思います。
19,寒波来る「気をつけてね」と妻の声
秋らしい天気が殆どないままにいきなり冬に入りました。テレビでも紅葉の
ニュ-スと共に寒波襲来の報道が流れる状況です。急激な天候の変化に体調が
ついていきません。特に、高齢者は免疫力が低下し、要注意だとのこと。
そうした中で夫を気遣う妻の心情、「気をつけてね」が良いですね。微笑ま
しい夫婦愛の句で読む者にとっても心温まるものがあります。
以上