令和7年冬のミニ句会 結果発表
投句者全員の選句がありましたので予定よりも少し早いですが
結果を発表します。
1,高得点者
泉也さんが10点でトップでした。
2,高得点句
泉也さんの5番「落葉して空の蒼さを深めたり」が4点で
最高得点でした。
3,各句の得点及び選者
Aブロック 泉也作 10点
1,片時雨一筋の日矢さす玻璃戸 2 新之助 アイビ-
2,湖一望発句推敲冬暖 1 てつを
3,山茶花の散り敷きて紅なほ失せず 3 ◎新之助 てつを
4,山里のバスの終点茶の花咲く 0
5,落葉して空の蒼さを深めたり 4 新之助 てつを ◎アイビ-
Bブロック てつを作 9点
6,小夜時雨ふと妻もらす実家のこと 2 新之助 泉也
7,朽ちんとす桃の大樹に返り花 2 新之助 アイビ-
8,合服の出番のなくて冬に入る 2 新之助 アイビ-
9,小春日や世界遺産をめぐる旅 2 ◎泉也
10,フェイクにも作為不作為枯尾花 1 アイビ-
Cブロック アイビ-作 9点
11 托鉢の僧小走りに初時雨 3 新之助 泉也 てつを
12 田の煙真直ぐに上る今朝の冬 2 ◎てつを
13 青首の大地蹴る音聞こえさう 0
14 若きパパの着なれぬスーツ七五三 3 新之助 泉也 てつを 3
15 ひとりでにドアの開く神の留守 1 泉也
Dブロック 新之助作 8点
16 しぐるるや相々傘に肩寄せて 2 てつを アイビ-
17 冬ざれや書斎にこもり我孤独 1 泉也
18 熊出没自衛隊より警察へ 1 アイビ-
19 寒波来る「気をつけてね」と妻の声 3 泉也 てつを アイビ-
20 冬の朝残る満月見上げけり 1 泉也
これまでと同様に『特選句』、『印象に残った句』、『共感を得た句』など選句の感想や質疑等
活発な交流をお願いします。
次期幹事の件
順番からいうと私・アイビーか野の風さんの順になると思いましたが、野の風さんは相当体調が優れないようですので、一回飛ばして私・アイビーが立候補します。私の体調を気遣う有難いお言葉を頂き恐縮しております。しかし、順番を壊すのはどうかと思いますので順番通り、アイビーが立候補します。
新之助です。
次回の句会の幹事は、アイビーさんの番かと思って発言しました。
これまでは、野の風さんもいましたが、最近の様子では無理のようです。
てつをさんから、小生を指名されましたが、実は、5日ほど前、血尿が出て、専門医に検査頂いたところ、前立腺に異常があるとのことで、薬を飲んでいるところで、現在は、体力に自信がありません。
恐縮ですが、一度、アイビーさんに幹事をお願いし、ご無理なら、てつをさんがもう一度お願いできませんか。
2月以降なら、小生も幹事ができるように、調整したいと思います。
新之助さんからお話がありましたように令和8年新年・冬の句会の幹事を決める
必要があります。アイビ-さんは他の句会の管理運営をされていて体調が未だ万
全でないようですので、野の風さんの参加が不明の状況の下で、新之助さんか小
生のいずれかと言うことになろうかと思います。
つきましては、新之助さんにお引き受けいただければありがたいと思います。どう
してもご無理であれば、小生が担当させていただきます。
よろしくお願いいたします。
新之助です。
てつをさん、冬のミニ句会の幹事、お疲れ様でした。また、皆様への句評の声かけ有難うございました。
そのお陰で、皆さんからの感想などあり、楽しく読ませてもらいました。
そろそろ、次回の正月・冬の句会の準備のため、次回句会の幹事を決める時期かと、思います。
お手数ですが、てつをさんから、次回幹事をされる方を決める「声かけ」をお願いします。
てつをさん
泉也です
句会幹事お世話様でした。
皆さん私の句にたくさんの選有難うございます。
遅くなりましたがいつもの泉也の自作あれこれです
片時雨一筋の日矢さす玻璃戸
この句日矢の言葉を使ってみたくなり詠んだ句です。シャッター街を家路へと歩いていたら急に時雨が、日矢はシャッターを指していたのですが、玻璃戸としました。
湖一望発句推敲冬暖
今回も漢字俳句に挑戦。中七「発句推敲」に悩みました。発句だけなのですが中七にするためあえて「推敲」を入れ漢字のみとしました。
山茶花の散り敷きて紅なほ失せず
新之助さん・てつをさんこの句の感想有難うございます。
句意ははっきりしてるのですが、「紅なほ失せず」「なほ紅失せず」どちらが良いか悩みました。今もどちらか分かりません。
山里のバスの終点茶の花咲く
季語茶の花の俳句初めて詠みました。歳とるとふるさとが恋しくなり詠んだ句です。50代の頃ふるさと丹波の山奥に帰省したとき、バスを降りたら目の前に茶畑があり一面に白い花が咲いていました。下五「茶の花白し」としたかつたのですが七音になるので咲くとしました。俳句としては駄目ですね。
落葉して空の蒼さを深めたり
アイビーさん感想有難うございます。この風景を最初「裸木」の季語で詠もうとしたのですがお「落葉」にしました。それと下五「深めたり」と「広めたり」とどちらが良いか悩みましたが、結局趣があるとして「深めたり」としました。
このごろ新聞の俳句を見ていて句意が分からないのが多くなりました。これは私の知能が落ちて来たせいなのですが、この俳句会に投句したり、自作あれこれを投稿したりしているお陰で、俳句を続けられると喜んでいます。皆さん幹事はできませんが、これからもよろしくお願いします。
アイビーの感想
落葉して空の蒼さを深めたり 泉也さん
落葉して葉が落ちてしまった木々。今までは葉があったので気がつかないでいたが、葉が落ちた今見ると、本来の空の青さが蘇ったようだ。空の青さが変わる筈もないが、変わったと思わせるテクニックが見事。
フェイクにも作為不作為枯尾花 てつをさん
最近、SNSなど犯罪にならないまでも、大きな社会的関心事となっている。早速その問題を俳句に取り上げた慧眼が光る。季語の「枯尾花」が関係ありそうでなさそうなところが、この問題に相応しいと感じた。時事問題に積極的な姿勢に意を強くした。
しぐるるや相々傘に肩寄せて 新之助さん
相々傘といっても、恋人同士の男女と思うのは早計。急に降ってきた俄雨に、男同士の相々傘もあり得るのではないか。私はそんな気がする。男同士でも急に降ってこられたら、仕方がない。愛想も何もないが、背に腹は代えられない。どうせ、長いことは降るまい。
新之助です。
今回はてつをさん、句会の幹事、ご苦労様でした。
また、泉也さん、今回の句会での高点句おめでとうございます。
本句会の最長老として、これからも、佳句をどしどし、発表してください。
また、てつをさんの選句感想、楽しく読ませて頂きました。
では、小生の選句の感想をさせて頂きます。
☆山茶花の散り敷きて紅なほ失せず(泉也)
山茶花には、白色の花もあるが、作者が見たのは、勿論赤色のもの
落ちてもなお、紅色を失わない山茶花を見て、その命の強さを感じ、本句を
詠まれたものと思いました。
☆小夜時雨ふと妻もらす実家のこと(てつを)
小夜時雨の日に作者の奥様が実家にいるお父様かお母様などのご家族のことを
心配されたのでは、思いました。 実は、小生の妻も同じような時、故郷のことを
口にしておりますので、そのように感じた次第です。もし、間違っていたら、御免なさい。
☆托鉢の僧小走りに初時雨(アイビー)
その僧は、恐らく、傘をお持ちでなかったのでしょうね。
托鉢の僧を小走りした初時雨、作者はうまい題材を見つけましたね。
てつをです。
小生の選句の感想です。
3,山茶花の散り敷きて紅なほ失せず
咲く花の数が減ってしまった冬の間、庭を鮮やかに紅く彩ってくれるのは
山茶花です。花弁が散り続いても次々と新しい花が咲き続けます。
この句は、散り敷いた花弁が色失せず紅を保っている状況を詠んだのか、
それとも散っても散っても新しい紅い花を着けていく状況を詠んだのか、その
両方を詠んだのか、いずれにしても実景を素直に詠んだ良い句だと思います。
12,田の煙真直ぐに上る今朝の冬
立冬だと言うのに風のない穏やかな朝を迎えた。お百姓が朝早くから田で収
穫後の片付け作業をしている。野焼きをしているのであろうか。「田の煙真直ぐ
に上る」の措辞がその様子を見事に表現しているように思います。この句も実
景を捉えた佳句だと思います。
19,寒波来る「気をつけてね」と妻の声
秋らしい天気が殆どないままにいきなり冬に入りました。テレビでも紅葉の
ニュ-スと共に寒波襲来の報道が流れる状況です。急激な天候の変化に体調が
ついていきません。特に、高齢者は免疫力が低下し、要注意だとのこと。
そうした中で夫を気遣う妻の心情、「気をつけてね」が良いですね。微笑ま
しい夫婦愛の句で読む者にとっても心温まるものがあります。
以上