アイビーの感想
アイビーの感想
野の風さん、幹事のお取りまとめ有難うございます。皆さんの句から1句づつを抽出して感想の述べさせて頂きます。
争いの終わるを虹に祈りけり 野の風さん
ウクライナの戦争を念頭に置いた句。兼題の虹と戦争の収束とを取り合わせたところが巧いなあと感心しました。全くその通りですよね。実際、北朝鮮もそうですが国民が飢えているのに軍事にうつつを抜かす為政者は、どういうつもりなんですかね。
癌検の病窓に見る夏の雲 泉也さん
夏の雲はもくもくと上へ上へと伸び、力強さを感じさせます。検査結果はどうだったのか、句の中では述べてはいませんが、夏の雲を季語にしたことで暗示しています。ご本人からの解説にもありましたが数年前のことだとか。後からなら結果が分かっていますが、その時は前途に不安があった筈。それだけに夏の雲が生きてきます。
虹消えてただの翁に戻りけり 新之助さん
この句は、その前の「虹立つや前途に希望感じけり」の句とセットにして鑑賞すべき句です。虚子にその手法の句がありましたね。私はこちらの句の、何とも言えないとぼけた味わいを買います。いわゆる俳味というものですね。
探し物ばかりの一日けふは夏至 てつをさん
老境に入ると、今日は何の日といちいち意識している訳ではありません。この句のように些事にかまけているうちに、一日終わってしまった。あとから、そういえば今日は夏至だったなあと気づくのです。そのへんの機微を巧みに表現されたと思います。