アイビーの感想
野の風さん、幹事役お疲れでした。新之助さん、次回幹事ご苦労様です。アイビーの感想です。
わだかまりいつしか消えて花野径 (新之助さん)
何が原因かは知らないが、諍いの解けぬまま花野に来た夫婦(とは言っていないが私はそう解釈した)。花野を散策するうちに、何時しかわだかまりも氷解した。冷静になってみると、お互いが意固地になっていたようだ。もともと大した原因ではなかった。私もよくある日常的な体験を上手くまとめられたと思います。
子が婆の手を引き参る地蔵盆 (てつをさん)
二人の関係、年齢は読み手に委ねられたものと解釈する。私の独断だが、二人は祖母と孫、ひょっとしたら曾孫かも知れない。そんな関係を想定する。老齢で足腰の弱った老婆の手を引いて、小学生高学年ぐらいの曾孫が地蔵盆に参った。ついこの間まで頑是なき幼子だと思っていたのに、しっかり曾祖母をサポートするまでに成長した。子どもの成長の早さを思い、うたた感慨深いものがあります。
島影に漁火揺るる浦は秋(泉也さん)
依然として厳しい暑さが続くが、それでも秋の気配は否応なく辺りに漂って来る。秋の澄んだ空気は漁火の瞬く様からもはっきりしている。遠近の島影、漁火が揺れながら瞬く様を描写して、座五に「浦は秋」と置き、句を引き締めました。
寝転べば我も花野の一部かな(野の風さん)
身も心もリラックスして花野に横たわる作者。自然の営みの中にわが身を投げ出せば、吾とわが身も自然に同化していく、この感覚はよく分かります。畢竟、人間も自然を構成するパーツであることを再認識しました。