選句の感想です
新之助です。
アイビーさん、本句会の幹事ご苦労様でした。
今回の句会で抜群の成績の野の風さん、てつをさん、おめでとうございます。
では、小生の選句感想を思いのまま述べさせて頂きます。
もし、読み違えがあったら、遠慮なくご指摘下さい。
1.当季雑詠の部
☆初景色この明るさにある余生(泉也)
初景色の明るさを今年1年の歩み(余生)と結んだ表現が良いと感じました。
どうぞ、楽しい1年になりますように。
☆天職と思えばぬくし蓮根堀(アイビー)
普通の人は、寒い時期に泥にまみれて行う「蓮根堀り」を嫌うものですが、作者はそ
の作業を天職と感じてされ、見事な蓮根のほか、労働の成果として体が暖かくなられたことを楽しく詠われている点が面白いと感じました。
☆方言でそっと囁き雪女郎(野の風)
雪女郎から津軽弁で囁かれた作者は天から奥様が舞い降りたかの気持ちで心が躍ったのではないでしょうか、上5の「方言で」の選択が成功した句と思いました。
☆老ゆるとも耄にはならじ初日記(てつを)
最近、図書館から有吉佐和子の「恍惚の人」を借りて読んだばかりですが、その本に出てくる83歳の老人の老いぼれぶりを見事に描いています。
本作者が、今年も一つ年をとっても、自分は耄(老いぼれ)にはならないぞとの堅い決意を初日記に
書かれた気持ちはよくわかります。
そういう意味では、俳句はボケ防止に最適と言われていますので、お互い、本句会で切磋琢磨しましょう。
2.兼題句の部
☆去年今年いのち一つに何望む(野の風)
あれこれでなく、人間にとって、一番大切なものは命です。そのことは、去る1月二日の飛行機事故で
持ち物は捨てて30秒で地上に脱出できた出来事が見事に物語っています。
本句もこの点を踏まえての句でしょうか。
☆余生とは余りにあらず青木の実(てつを)
「青木の実」の写真を検索で拝見し、とても綺麗な紅色で若さを感じる姿を見て、作者の願いが
良くわかります。また、本句を通じて、「青木の実」という素晴らしい季語があることを知りました。
☆晩歳やあるがまま是と去年今年(泉也)
いつも等身大の句を出される作者ならではの句を感じました。
今年も、本句会の最長老として、お元気な句を期待しています。
☆鳥の目で見たる世間の去年今年(アイビー)
作者は、鳥が空から見下ろして見ているような見地でこの世の実情を見ると
昨年に比べて、今年はどのように生きたら良いかと思考されているということでしょうか。
作者ならではの、難解な句と思いました。
特選で本句を選ばれたてつをさんの本句に対する感想を是非お聞かせ下さい。
以上