全国連盟からのお知らせ
全国連盟から雪山に向けてメッセージが送られてきました。
以下の通りです。お知らせいたします。
年末年始の積雪期登山事故と転倒事故防止について
2022 年 12 月 15 日
日本勤労者山岳連盟
遭難対策部
2022 年に入り1月・2月の二か月で4名が亡くなり 12 月 15 日現在、登攀や
沢登りを含めて7名の死亡事故が発生した。またハイキングや縦走では、転倒
事故が多発しその殆どが骨折を伴う事故に繋がっている。今年の事故者数は、
12 月5日現在コロナ以前の 300 人を超過し歴代のワースト記録に迫っている。
年末年始の積雪期登山、ハイキング、縦走登山での事故防止に努めるようお願
いしたい。
今年1月から積雪期登山の事故が多発している。遭難対策部での検証の結果、
総合的な力量不足を重大視している。パーティー内での個人の体力や力量を把
握できないうえに技術的なミスが重なり、さらに天候判断を誤り危険回避する
行動が選択できたにもかかわらず、安全策を取らずに進んでしまった事が残念
な結果に繋がった事故が多い。年末年始の積雪期登山では、慎重な判断のもと
無理な行動を避け、余裕のある計画を作成し安全登山を心掛けていただきたい。
また登山中に心筋梗塞を起こしたことによる死亡事故も発生している。心疾患
がある会員はより慎重な計画を用意し、同行者に疾患の内容を知らせるよう努
めていただきたい。
それぞれの事例では、下記の事項が教訓として報告された。
・積雪期登山の体力と判断力/各自の体力や知識の不足
・山行計画の行動時間/ルート上の積雪状況判断が不適切
・悪天予報を認識していない行動/天候の変化に対応できない
・天候悪化による道迷い
・ピバーグ用装備の不携帯/装備の確認が不十分
・積雪期登山の技術不足
・日頃からの体調管理ができていない
・ネットでの情報を安易に利用する
上記の内容を十分に考慮し登山を行っていただきたい。新型コロナ規制緩和
や全国旅行支援による社会活動の活発化にともない、登山回数も増加している
状況ではあるが、高齢による基礎体力の低下、日常生活での運動不足も転倒事
故の一因に繋がっていると考えられる。特に下山中の転倒事故が多発している。
わずかな転倒が大事故につながる報告も多いことから、これを防止するために
も、下山時にはより慎重な行動を互いに確認し、滑る場所の確認を怠らず木の
根や倒木に躓かない歩行に徹する、滑りやすい岩や浮石には特に注意を向ける
など、転倒事故を防ぐ登山を実施してほしい。