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スレッドNo.12

JAXA H3A 二号機打ち上げ成功を祝うー技術者として経験を追憶ー

前回から1年間失敗の原因解明と対策に携わった方々にお祝い申し上げます。
原因は、二段エンジンエキサイターの電源系の短絡にたいする保護回路のマージン設計だったとのことで、世間でよくある設計ミスです。私も、40年間電子機器製品を量産してきた経験がある中で、電源系の設計ミスでロットアウトした経験があります。
結論から言えば、「プロダクト統括者と担当部門管理者と担当者の資質に起因しますので、組織と人が違えば未然に防げる問題です。」JAXAは、あまり責任所在を表にださないですが、三菱重工の電気系部門の責任ということになると思います
しかし、正式には、発注元のJAXAのプロダクト管理者の責任であることは間違いないです。
 私は機械系なので、電気系は設計しないのですが、最終的にメカの動きを検証して、量産品として間違いないかを判断するので
その時に、異常な事象があれば、電気系技術者とともに原因究明にあたります。一緒にキャッチボールをしていくと、電源系技術者の設計の苦労がわかります。アナログ系特に電源系は、ロジック系より付加価値が小さいので、とにかくコストダウンが最重要設計目標になります。そのため、調達性とコストが安い部品を徹底的に追及した設計をします。更に、電源系の設計者は、電源設計部門に所属する場合が多く、いろいろな製品にかかわっていて、個別の製品企画にはあまり関わってない人が多いです。
電源系の設計仕様と誰が決めるのかですが、製品企画書から、全体の製品仕様書、個別系の仕様書まで、多くの技術者が関わりますので、電源系の仕様書まで落ちる間に、製品企画から見落とされる仕様もあります。そこを未然に発見するのは、だれかというと実は、機械系、ソフト、電気系にも精通しているプロダクトリーダーがやります。私の経験では、プロダクトリーダーは機械系の魏j通者が多いです。機械もソフトも電気も精通している技術者は、機械系出身者とか物理系の技術者が多いです。
 このように、プロジェクトを成功に導ける技術者は、専門だけではだめで、そのプロジェクトで必要とされる技術分野に精通していないとダメです。若い人たちは、自分はソフトだ、電気だ、メカだということで、30歳くらいまで育ってきますが、35歳以降は、担当するプロジェクトを包含する技術分野全部に精通できる技術を身に付けることが必要です。欧米と日本の技術力の違いはそこにあります。欧米の技術者は日本の技術者にく比べて守備範囲が広いです。

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