私は、インクジェットの四辺フチ無し印刷方式の特許で、発明協会とか特許庁で全国表彰をいただいたことがある技術者です。社内とか業界では、アイデアが出る人と言われてます。しかし、本人からすれば、ある一定の癖の強い思考方法しかもってないのでワンパターンな発明しかできないと思ってます。特許部門と弁理士さんが特許を育ててくれて権利を勝ち取ってきましたが、本人は、特許の権利化に関しては、全く無関心で、知識もありませんので、自分では特許書けません。特許のポリシーは、本当に役に立つ特許ということで、ダサい発明が多いですが、試作、実験確認した案件とほぼ確実にできると技術的に計算された案件しかだしませんでした。所詮実現できなければ、特許として生きませんので、アイデアだけで終わる特許とか他社を妨害するための特許などを考えるのは点数稼ぎだけで、技術者としては無駄な作業です。それよりは、自分の発明特許を使ったヒット商品を作り出すことが最重要です。
①四辺フチなし特許のいきさつ
90年代前半にテプラというOEM製品を開発していて、色とりどりのカラーテープを揃えるくらいなら、インクジェットでカラーテープを作ってラベル印刷をしてしまえというアイデアで、インクジェット式テプラというものを開発しました。OEM先様はあまり乗り気でなかったのですが、強引にアイデアを売り込んで、OEM先から開発資金をいただいて、3年くらいかけて商品化しました。その開発で、テープを全面にカラー印刷する方式の特許をだしました。それを弁理士さんに相談したら、面白がって写真とかいろいろな印刷物でもこの技術でできるからできるだけ広い特許にしましょうと弁理士先生が書いてくれたのが、きっかけでした。当時は、インクジェットは、粒が粗い印刷しかできなくて、とても銀塩写真を凌駕できるなどと世界のだれもが思ってませんでした。唯一あったので、数千万円する超微粒ドットを連続印刷できるハイエンドインクジェット装置で、写真ぽい画像ができていただけで、とても数万円の民生用プリンタで銀塩写真ができるとはだれも思ってませんでした。しかし、5年くらいするとブレークスルーが起きて、銀塩に近い写真印刷ができる技術が、各社からでてきました。キーテクノロジは、3点です。
①2値化のアルゴリズムが写真表現に特化したものができてプリンタドライバに搭載できた点です。
②インクジェットヘッドの制御技術で、大中小ドットを打ち分けることができるようになった点です。
③紙送りの高精度化とバンディングムラを見えなくする印刷方式のアルゴリズムができた点です。
このような大規模開発がなければ、インクジェットで銀塩写真が実現できなかったのですが、私は、印刷物全体で四辺フチなしが印刷できる方式を特許にしておいたので、後から似たような方式を各社だしたのが、5年後でしたので、圧倒的に早い時期にだしたということが発明協会で評価された理由でした。
=>5年前に特許だすポイントは、今目の前にある自分が担当した技術は、どの産業分野に存在して、今までの方法とは何が競合であって、それに対して目の前の技術は、どんなメリットとデメリットがあるかを分析考察して、メリットを強く意識して、競合技術では絶対できない未来の世界を想像することです。
未来志向の変わった特許だと周りからバカにされますが、特許化することを主張するしつこさが必要です。だいたい、この手の未来志向型特許は、技術部門の周囲の人とか、特許部門から冷や水を浴びて、出しても無駄だとか誹謗中傷を浴びますが、自分の論理と夢を頑固に通すこと重要です。周囲の抵抗が激しいということは、世界の強豪達でもなかなか特許にしないネタだということですので、余計頑張る必要があります。そうしないと5年後にブレークスルーする技術の特許になれません。
●転籍・転職の勧め
①社内転職の勧め<自分がトップにたてるプロジェクトを探すことが重要です。>
プロジェクトでは、全員のうち上位1割しか役に立たないとよく言われます。実際本当ですが、5人くらいのプロジェクトだと全員がトップです。そうでないとプロジェクト回りませんので、少人数が良いことは、経験的に多くの方が悟ってます。しかし、やることが巨大なプロジェクトだとそうはいきませんので、何百人もあつめると1割くらいしか活躍してないという現象がおきます。活躍できるのは、その分野が得意な人なので、他分野から参加した人は、チャンスがありません。その場合で、あまり面白くないなら、社内の別のプロジェクトで自分が勝てるところを探して、転籍することです。全く違う分野でも人とのコミュニケーションが得意だとか自分の強みが生かせるチームとプロジェクトを探して転籍して、トップ集団に位置することが、大事です。そうすることによって、元のプロジェクトでくすぶってストレスをためて逆噴射したりするリスクがなくなるし、ご本人もトップ引けるプロジェクトと部下をもてれば、会社としては、生産性が倍増しますので、面白くないプロジェクトはさっさと抜けて新しい自分の合ったプロジェクトに転籍することが重要です。
=>しかし、転籍癖がついている人が1割くらい存在します。どこの部門にいっても使えないと言われて社内で掃きだめ部門に集められてしまう例です。そんなところでも1割がトップを引いて、独自の階層社会があるのですが、そこで、トップを引けなかったら、転職して別の会社に行ったほうがいいです。
転職先は、今いる会社よりは随分小規模になるでしょうけれども、自分がトップを引けるなら、生産性があがりますので、社会に貢献できますので、日本もGDPにも貢献できるので、自分が勝てる業界、会社を探して、トップを引くことにこだわる人は、転職しても浮かび上がると思います。
②転職者の送別会に出ない人はヤバい
40年もサラリーマンやっていると多くの辞めていく人を見ます。私は、常に知り合いが辞めるときは盛大に送別会を主催する人でした。何故なら、上記のような考え方なので、その人が別の場所で力を発揮してトップ引けるはずだから、絶対応援するのと、将来的に、私の仕事とか社会勉強につながるからです。
特に、上と喧嘩して辞めるとかありますが、そういう場合も盛大にやります。そういう場合は、送別会にでない人結構いますが、そういう人は、私は、社内的に信用できない人だと思うので仕事は一緒にしないように避けます。職業観が、公務員的な人が多くて、長い物にまかれて生きていこうとする人ですので、大きなイノベーションを起こすようなことは本人も望んでなくて、とにかく定年延長までできるだけ長く雇ってもらいたいという人です。しかし、今の世の中そのような人からリストラ対象になりますので、公務員的な仕事をしたい人は村役場にでも転職したほうが、トップを引けます。
③転職を繰り返す人
一端転職で送り出しても、毎年会社を変える人も時々います。それは、自分の得意を強く意識してない転職をする方でした。海外勤務がながいので、語学はできるけど、営業手腕もないので、商社に転職しても1年で辞めて、次は、同業他社にいって、元会社に居たときの知識をひけらかすとか、偽物すぐバレてしまう転職を繰り返します。ここは、立ち止まって、自分は本当はどこに行けばトップを引けるのか考えてみれば良いと思います。私は、彼は、技術系でなく、現場で大勢を仕切る仕事がよいと思ってますので、製造工場へ転職すればいいと思っているのですが、海外派遣までされたエリート意識があって工場に勤めることが抵抗があったようですが、技術系にしがみついても強みがでないので、思い切って自分がトップを引ける職種に転職しないと一生転職を繰り返すと思います。
●その1では、PARCがITメディアの将来を決定してきた歴史を解説して、メディアの未来を考察することの重要性と、その流れに乗って、各自の属している業界でのイノベーションを起こすことを啓もうしてます。
●メディアを自分で使って慣れることの重要性
インターネットが普及はじまってから30年経過してようやく、メディアの変革が社会に浸透してきました。特に、日本は、世界から大幅に遅れたデジタル後進国となってしまってますので、これからの若い世代は、ハンディを背負って、生きていかないといけません。何故遅れたかは、いろいろ原因があるのでしょうけど、いろいろな業界、政府、組織で、時代の流れに乗れなかったということが直接の原因です。
①パーソナルコンピュータのコンセプトに乗り遅れた日本
1970年代でマイコンが普及しだしたころ、ゼロックス パロアルト研究所は、情報化社会の中枢的なコンセプトを開発してました。ハードコピー企業であるゼロックスが未来のメディアを研究していたことに大きな価値があります。メディアという視点で研究することが成功した一大事例です。
ーーーーーーーーゼロックス パロアルト研究所(PARC) WIKIの記述ーーーーーーーーーーーーーー
アーキテクチャー・オブ・インフォーメーションの創出を目標として開設した。コンピューターサイエンス方面に与えた影響が大きく、マウス、Smalltalk、イーサネット、レーザープリンターなどの発明が行われ、他にグラフィカルユーザインタフェース (GUI)、ユビキタスコンピューティングなどの研究開発も行っている。デバイス領域ではVLSI、半導体レーザー、電子ペーパーなどの研究を行う。開放的な気風だといわれた。実績で有名な発明品は
マウスで操作するパソコン
デスクトップのアイコン表示
イーサネット
レーザープリンター
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Appleのジョブスは、パロアルトでSmallTalkなどに触れて、Macを作ろうと思ったのです。ジョブスは、独創者ではなく、自分の気に入ったモノを真似でもいいから執拗に追い求めた企業経営者だったのです。現在のノートPCやスマホのコンセプトは、パロアルトの有名人アランケイが独創したものです。
70年代日本では、富士通、NEC,日立、東芝が大型コンピュータ、ビジコンを製品化して、米国企業と競争してましたが、パーソナルコンピュータが時代を大きく変革させることを明確に意識した経営方針をだした企業はありませんでした。昭和の日本は欧米に追い付き追い抜くのが精いっぱいでした。
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Macを産んだ経緯ですが、アップルの初期にジョブスがPARCを見学して、マウスとアイコンを見て、Macの発想をもらって製品化しました。ジョブスは自分が良いモノと思ったら徹底的にこだわって実現するスーパー経営者だったのです。このころ、日本では、マウスとアイコンでPCを操作するのは遊びであって、キャラクタ入力で、PCを操作するのが本筋だという風潮があって、マウスとアイコンで操作している人は、仕事ではないという雰囲気でした。Macいじっていると怒られて、DOSマシンなら仕事していると言われてました。
技術的な理由としては、ただでさえプアなCPUでUIの重いグラフィック機能を多用するアイコンとマウスの操作は、無駄であると考えた理由があったと思います。
自分で使ってみて、CUIよりGUIが良いと誰もが思う素直な気持ちを仕事にも持ち込める意思を持った人が日本企業経営者にほとんどいなかったと思います。何故ならPCをいじれない経営者だったからです。
<自分で対象のコトを体験して関連するモノをいじれることがビジネスにとって非常に大事です>
半導体産業のムーアの法則があるので、数年先のことを予測してマウスとアイコンのOSが必要だと思って、WINDOWSが出る前に日本からグラフィックUIのOSが誕生すれば、歴史は違っていたと思います。
●時代遅れにならないためのポイント
=>デジタルメディアをいじること、
=>AIやSNSをAPIで自由にいじれる位にプログラムできるようになればいいと思います。
=>Pythonで機械学習とAIのアプリを作ってもいいと思います。
(万一、会社とか自分が時代に乗り遅れたら将来がヤバいので老後のために貯金を必死でしてください)
①各分野での、最先端のコト、モノを自分でいじったり、体験して、どこが良くてどこがダメなのかを直観的に理解できるまでいじる。自分で購入するのがベストですが、高価なものが多いので会社で買ってもらえる環境にもっていくのがベターです。そういう環境がある会社を選ぶのが大事です。
(全然いじらないで、知ったかぶりするのは、危険です。デジタルリテラシーの無いおじちゃんと同じになって、やることなすこと全部没になるので、絶対自分でいじれないとダメです。ですので、時代に乗るには、プログラムをいじるくらいできないと時代に置いてかれます。文系・化学、薬学、医学、自然科学系でもプログラミングがスキル必須です。ArduinoとPCでPythonくらいなら誰でもできますので)
②当然、直ぐには、普及しないコト、モノですが、どうなれば、普及するのが技術的観点で考える。
コストなら、どこがどういう理由で高いのかを解析して、高い理由がどこかの産業がイノベーションを起こせば払拭できるかを自分で推理推論します。解析するスキルの基本は、企業における経営の数値とコスト計算、ビジネス学(他業界を理解できる)です。20代から35歳までの間に、スキルを身に着けないと、40代に飛躍できません。企業内で、イノベーションを起こす人は、稀で、どの会社にもいるわけではありませんが、多くの事例では、20-30代は、くすぶっていて、泣かず飛ばずで、40代-50代で大きなイノベーションを起こす事例が多いです。それは、上記のスキルを35歳までに身に着けてきた人で、35歳まで出世するより、時代の流れを読めるスキルと読める人になる経験を積んだ人が、最終的に50代から出世する例が多いと思います。 これは、過去事例ですが、現在は20代で全てやれる人材もいます。
③オペレーション業務から抜け出す
企業の99%はオペレーション業務です。既に既存の仕事のやり方とルールがあって、それを正確に迅速に大量に処理することが求められて成績となります。しかし。既存のオペレーションだけやっている企業は、10年先には、衰退します。時代の流れにのるための活動をしないといけませんので、イノベーションを狙いたい若者なら、オペレーション業務は35歳から40歳で抜け出したほうが良いです。卒業するという意味で抜け出せれば良いですが、場合によって、左遷された結果オペレーションから外れた場合もラッキーだと思います。私など、性格的に、オペレーション業務が向かないので、開発部門にたどりついた経緯がありますが、もし、ずっとオペレーション業務をやっていたら、自分の会社は将来の技術開発や市場開拓を逃していたと思いますので、オペレーションに向かないつまり、現業に役にたたない社員も貴重であると思います。そういう社員を大事にできる会社、組織がなければ、その会社は将来沈みますので、将来がありそうな企業に転職したほうが良いです。これは、昭和、平成の話しですので、現在は、AIの時代ですので、今までの常識、ルール、全てがひっくり返る時代を迎えてますので、学生さんの頃から、自分の思う世の中をつくっていきたいという気概で、上司である40-50代以上が言うことを聞かないで、自分で作っていく気概と努力をもって生きていってほしいと思います。 会社上司の方向付ではイノベーションは起こせませんので、自分の思いを追求したほうが、動きが自然で成功しやすいです。少しでも他人からやらされている兆候があるなら、イノベーションを起こす仕事は失敗します。ほんの些細なミスが致命的になるのがイノベーションの怖さです。あの時気づいてこうやっていたら、プロジェクトは成功していて、未来は違っていただろなと思うことはたくさんありますが、それって、ちょっとした些細な点を見逃していたことが多いですので、人任せでなく一人の頭の中でプロジェクト全体を考えながら進めていかないと失敗します。AI時代なので、人任せでなくAIと相談しながら進めていけばコストも時間も随分節約できる時代です。
④新しいことのアイデア AI政府
例えば、現在の民主主義なんて、WEBとAIの時代には、合ってない制度だと感じないでしょうか。
個人の思う幸せは、個々で違うのですが、昔は把握できなかったから、民主主義で多数決で決めてた、多数の人が生きる生き方に合わせていきる時代が数百年続いてきてますが、AIがあれば、個人個人の生き方に合わせた生活環境を把握できますので、一律で行政と関わる必要がないので、個人に合った、社会保障、税金をカスタマイズすればよいのです、そうすれば、左翼、右翼など2分して争う必要などなく。個人個人に合わせた生き方をAI政府が合わせてやればよいのです、そのために、予算がどのくらいいるかなど政策はAIがやればいいのです。公務員は、人でなければできない仕事に集中してもらえばよいと思います。AI時代には、自分の理想とする生き方を明確に持って、実現しようとする若者が活躍すると思います。皆さん頑張って目指してください。
人が絶対無理でこんなこと言ったら常識外れとか、バカにされるというようなコトに注目して
新しいチャンスがないか考えることが良いです。イノベーションを起こせる人は、人と同じことを
することが嫌な人が圧倒的に多いです。
世の中 業界でハマったきりで一生を終える人がほとんどですが、定年後が長くなってきてますので
今の仕事をリタイアした後別の業界に入った場合のことを若いうちから想定しておいたほうが
老後が有意義になると思います。
=>業界も一つのメディアであるという見地からの考察です。メディアの属性が所属員に染み込んでしまうという弊害は、全てのメディアに共通の性質です。
事例1:私の友人で、大企業の役員が何人かいますが、退職してからも役員癖がぬけなくて、
一般的なおつきあいができない人が多いです。
=>数十年部下を使って仕事をして、部下によいしょされながら生きてくると、お殿様になってしまって、いざ退職しても周囲の人を部下扱いして、総スカンされる事例が結構あります。
=>それって、現役の役員時代も新しい環境に身をおいてこなかったからではないかと思います。
私は偉いさんではありませんでしたが、研究開発部門にずっといたので、時代の変化を追うのが仕事だったので、常に新しい環境と新しい業界、ビジネスと接触してきたので、老後も新しいものを追う習慣がついているので、昔の仕事の仕方を引きずることはありません。強いて言えば、コト作りが大事だという体験だけは、今でも守ろうとしていることぐらいです。
事例2:自分の業界に浸かったままだと新規ビジネスはできない。
私の体験談ですが、プリンタ開発屋なので、やっていることは紙などの媒体にインキを載せるだけです。
製品開発の片手間で、紙にインキを載せる技術を原理別に分類して、徹底的に学習しながら、印刷業界の成り立ち、製紙業界の市場、印刷物の市場、各市場ヒアリング、エコシステムまで知ることができましたが、なんと20年かかりました。特に重要なのは、実際に企業訪問して、ご意見を聞くことですが、ただ聞くだけでなく、そのご意見の背景を必ずつきとめて、出張レポートを書くことでした。ですので、企業訪問前に、帝国データバンクで企業情報や、業界新聞など業界情報をしっかり調べてその会社の置かれている環境と生い立ちなどを頭につっこんでから訪問しないと何を言われているか納得ができないことを悟りました。その手の訪問なら営業とかサービスと連れていけばいいと思われるかもしれませんが、相手が印刷工場で、モノ作りをしている企業なので、技術的な内容のお話しがメインですので、文科系をつれていってもお相手にならないので、極力営業は連れていかないようにしました。工場見学をして、印刷機がどうしてこうなっているかを理解できるのは、機械系の技術者でないと無理なので、機械系の技術者で営業的なアプローチができるメンバーなら連れていきました。
=>ここで大事なのは、自社のバリューチェーンでは、新規の事業開発はできないということです。
全ての仕事価値はトップが決めて会社の方針に従って、全社員を向かわせるのが企業ですが、これが新規事業開拓では、邪魔になるのです。トップをはじめ経営陣は、自社の事業を成功させて出世してきた人たちなので、自社の分野の専門家であって、他業界では、全く素人さんなので、新規事業分野で、他業界の価値を理解して方向性を判断できる経営者はほとんど居ないということです。ですので、新規事業の担当者は、自社の経営陣でなくターゲット業界内のバリューチェーンの中にいる人とかエコシステムを十分心得た人から意見をもらって方向づけしないと失敗します。ここが、新規事業が滅多に成功しない大きな原因で、自社のバリューチェーン内で方向付してしまって、投資したけど失敗するのは当たり前のことなのです。
●日本の総合商社の強さは、業界を習得する能力が高い点だと思う。
多くの業界をまたいで、ビジネスを拡げている総合商社がパッケージ業界に特化した子会社をもってます。パッケージングなら、大手の印刷会社とかフィルム製造、製紙会社、容器会社などが専門業界なのですが、総合商社は、パッケージ各業界の特徴と得意不得意を熟知して、自社の付加価値をだせるビジネスを展開してます。それは、総合商社の社員に業界を理解するノウハウが秀でているからです。各パッケージ分野の専門企業では自分の業界しかわからない社員が多いので、いろいろなパッケージ業界を理解できている総合商社系のビジネスに付加価値をとられてしまうということです。総合商社が給料が高いのは、入社時点からの特訓が効いてると思います。いろいろな業界のビジネス現場に突っ込まれて、ベンチャービジネスを体験させたり、世界中を歩き回っていろいろなビジネスと業界の存在を学習させて、業界というものを短期間に理解習得するスキルを身につけさせている点が特徴だと思います。一般企業だと、自社の文化と風習を学習させるので5年くらいかけて、それ以降も自社のかかわる業界をとことん習熟させるだけ社員を飼いならすだけですので、いざ新規の業界へ進出したいときにできないということになるのです。入社当初からいろいろな業界があって、そこに進出するための教育をしておかないと企業文化として新規事業開拓は、育たないと考えてます。
信州MAKERSは、長野県松本市と長野市に拠点をおく、DIY電子工作のブログサイトです。
コト作りを目的としたモノ作りを提唱して、若い技術者 学生さんへの啓もう活動をしております。
定年退職してから始めて10年近く継続してます。
●2024年のエポック
cm級GPS技術であるRTKを中心にスキーの運動姿勢と精密軌跡を計測するシステムを開発してきましたが、当初RTK技術は普及すると思っていたのですが、世界的に全然普及せずに、2024年からRTKデバイスメーカー(主に欧州)のリストラが始まってしまってます。
何故なのかというと、
①ビジネス要因
メーカー側とユーザー側のコト作りができてない点が最大の原因だと思ってます。要するに、普及して伸びるアプリケーションが無いので、じり貧になったということです。ユーザーの業界も測量、ドローン、農業、土木と数量がでない分野が多く、半導体チップの数量がでないので、1粒数万円という高価なチップの価格が下がらないというジレンマで一層普及にブレーキがかかったという原因です。
②技術要因
GPSの位置計測原理は、コード測位と言って、衛星からの電波に、モールス信号のようなコードに時刻、衛星位置情報等を載せて地上の受信機へ発信してます。電波が混信しないのはCDMA方式を使ってるからです。コード測位だと、位置精度は数mしかでませんが、
=>cm級GPSでは、搬送波測位方式をとってます。コード測位で使っている電波自体の位相を測定して、波長から衛星との距離を計算します。ですので、分解能が0.1mmと細かいので、精度がcm級になります。更に、RTKでは、10-20km以内の基準局の精密位置情報と電波情報をインターネット経由で受信しながら、自分の電波受信条件を基準局に合わせて、同じ電波状態として、位相測定して相対位置を計測します。ですので、基準局からの距離が0.1mm単位で得られます。しかし、電波の位相を精密に測定するのが大変です。衛星電波が真っすぐアンテナに入ってくれば問題ないのですが、雲、雨、水蒸気などの影響をうけたり近くのビル、森、屋根、遮蔽物にぶつかっていろいろな方向から入ってきます、これをマルチパスといいますが、位相を計測するのに、経路長が雑多なマルチパスがあっては、正確な距離が測定できませんので、cm旧GPSの搬送波測位は視界の悪い場所では、cm級精度がでませんが、一般のGPSよりははるかに出ますが、コスト面とシステム面で
一般のGPSに置き換わることができてません。
●RTK分野あるべき姿への提案
上記理由で、キラーアプリの市場が小さすぎて、商売にならないので、もう少し大きな市場でのキラーアプリが必要なので、信州MAKERSでは、サポートしてもらっているRTKボードメーカーのスペインのArdusimple社へ提案を行いました。
アプリ案1:老人の要介護状態(フレイル)を精密に計測するシステムのキーデバイスとして、用途開発するコト作りを提案してます。
理由:歩行の精密測定をするには、現在の技術では、巨大なフォースプレート上を歩いて足跡軌跡と重心位置の移動を計測するか、
スポーツ選手用3次元動画キャプチャーシステムを導入して、歩行を計測する以外にありませんでした。しかし、両者とも数百万円から数千万円の投資と歩行計測するための建屋が必要となります。これを、RTKシステムに置き換えることで、左右靴にアンテナを取り付けて、腰と頭にもアンテナをとりつけて、病院の屋上など視界の良い場所で歩いてもらうだけで、ミリ単位の歩行計測と体の動きが測定できるので、フレイルの診断ができます。導入費用は20万円以下で済むので、他の技術をコストで圧倒してますので、歩行計測業界ではイノベーションがおきるはずです。私もスキー開発が終わったらフレイル用のシステムを開発しようと思います。
この用途なら、世界中で大量にニーズあって、これから伸びる市場ですので、今までのRTK市場の何十倍にふえると思います。
注目する技術に対するコト作りのアイデアと競合技術との比較を徹底することで、イノベーションは簡単に起こせる事例です。
●2025年の活動
更に、コト作りを強化していきます。スキーではコト作りが自分ではできないので、地元の小賀坂スキーのエンジニア様に御協力をいただいて、コト作りを明確にした開発をしていきます。RTKの開発では、10年後のLEO衛星によるGPS時代を想定した開発テーマを検討していきます。
=>GPS技術に関しては、日本は数十年の後進国ですので、原理開発を頑張ってもしかたがありません、みちびきに関しては2017年からJAXAから総理府に移管して、JAXAは研究してません。JAXAは、勝ち目がない分野なのでやらないと判断したと私は解釈してます。しかし、海外では、どんどん研究開発が進んでます。特にSpaceXのSTAR LINKで有名なLEO(低軌道衛星)は、一般の衛星の高度数万kmに対して2千km以下、数百kmの高度で飛んでいますので、電波の強度が従来のGPS電波より数十倍強いので、マルチパスに強く、建物の屋根を通過して室内まで届くので、屋内測位も可能になると言われてます。そうなった場合、従来のGPS技術にイノベーションがおきて、今までのデバイス、システムがなくなってきます。そういった時代でも、生き残れるような技術開発を今からやっていいきます。
LEOーPNT GPS技術のブログ記事 https://tinyurl.com/2y5t5jzv
●メディアを広義に解釈して、コミュニケーション、相手との関係を表現する媒体と定義してます。
=>情報ばかりでなく、取引、人の関係性、ボクシングでいえばパンチ等攻撃はメディアです。
●メディアという考え方を応用して、将来の予測、事実関係の推定をしたいという目的で考察してます。
同じ業界内にいると同じ穴のムジナになる(ムジナ現象)
●例1:犯罪関連業界の構成員
(犯人、被告人、受刑者、被害者、警官、刑事、検事、裁判官、弁護士、記者)
は、似た者同士になって、それぞれの立場が代わり易い傾向にある。
警察官とか弁護士の犯罪率は高いです。
犯罪というメディアを扱っているうちに取り込まれて影響を受けてしまうというメディアの法則です。
一般的見解では、世間の犯罪率の1/10であるので少ないと言われてますが、
世間の犯罪で一番多い職業が無職の人の犯罪数(22%)なので、世間一般全体で比較しないで
職業別の犯罪率で警察の犯罪率を比較した方が良いです。
令和5年度 職業別犯罪件数統計
https://www.npa.go.jp/toukei/soubunkan/R05/excel/R05_041.xlsx
と職業別人口を割って比率をだしました。
犯罪が多そうな職業の犯罪率(=犯罪数/従事者数)
学生(中高大専)0.165%
不動産自営:0.117%
警察官:0.108%
弁護士:0.094%
:
:
情報処理技術者 0.030%
ということで、学生は、非行が多いので、犯罪率が高くなりますが、これは自然現象でしょう。
◎「警察官、弁護士の犯罪率は、世間のまともな職業人より3倍多いことが判ります。」
警察の犯罪率は、うさんくさい不動産屋に近い程度ということですから、警察官の言うことを
鵜呑みにできないで裏取りをしないと危ないということです。不動産屋の言うことは怪しいと一般人は
承知してますが、それと同程度に警察官も危ない人がいるということなので怖い統計データです。
ということで、同じ業界内だと正反対な立場の人とメディアを通じて交わることで、立場が正反対に変化してしまう現象が発生しやすい傾向があると私は感じてます。
●よくあるのが、業界ぐるみの不正行為など、違う会社でも似たような不正が行われるには業界内むじな現象です。
例えば、自動車業界の検査規定違反は、各社に発生してますが、これは、運輸省の規則が古い、自動車業界の経営効率化が限界まできている点が背景です。
●マスコミ各社が一斉に偏った情報を報じる件も、業界内ムジナ現象です。背景には、デジタルメディアの台頭で広告売上が半減した点に起因する、業界内全構成員の焦りがあります。
内部では、左派、右派があるのですが、左派も右派も入り乱れて、同じ人が左派でもあり右派にもなるというムジナ現象を呈してます。結局最後は、業界で食っていかなければいけないという本能しか残らないのです、デマでも数値が稼げればなんでもいいという行動は、生き物としては理解できます。
しかし、獣的な生き物ではなく理性をもった、優秀な社員は、辞めて別の業界に転職していると思います。おかげで、残った社員さんは、あまり優秀でない社員となりますので、お仕事も劣化してくるので
兵庫県の記者クラブのようになります。
●以後
投稿シリーズが2つあって、メディアの変遷とメディアと業界ですが、話題として思いついたら投稿していきます。信州MAKERSのポリシーであるコト作りから発したモノ作りとOne To Oneの時代の理想的な社会について、考察を記述していきます。