何で“Miss”なのかなと思っていたら正式には結婚してなかったのか>映画『ミス・マルクス』
マルクスの末娘エリノアの生涯を描いた映画でした。外向けには当時の劣悪な労働環境の下、搾取される一方のプロレタリアートの解放に向けて日々尽力する社会活動家が、家庭内ではわざわざ自分からダメンズ夫に搾取される道を選び取り、度重なる浮気&浪費のダブルパンチの挙句最後は自死を選択するに至る、まぁ簡単に言うとそういう話です。「科学的社会主義」とやらでは割り切れない矛盾を抱えた人間の業みたいなものが描かれていて私は興味深かったですが…お分かりのように、一般ウケする映画では全く無いですね(苦笑)。
>そこまでくると何か弱みでも握られていたのか?って思うレベル
私の手元にある本には「弱みを握られていた」との記述も、それを匂わせる記述もありませんでしたね。調べてみようと思っていろいろググってみたのですが、ちょっと思想強めのブログぐらいしかヒットしませんでしたw(↓)。歯に衣着せぬ発言故に何かと物議を醸しがちだったマルクスを世間の非難から守る必要があり仕方無く認知した…というのがどうやら真相のようです(映画では臨終間際のエンゲルスがエリノアに「フレディの実父は君のお父さんだ」と告げるシーンが出て来る)。確かに人間としてはクズですが、信奉者らを惹き付ける魅力にもまた長けていたということなんでしょう。
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/43e3caf3366528cd95dac84b32957161
因みに映画でも描かれるように、エンゲルスの遺灰はドーバー海峡に撒かれます。つまりエンゲルスの墓はありません(死後に崇拝されることを嫌ったためらしい)。でマルクスの墓はというと、現在はこんな感じなんだとか(↓)。貴族趣味で見栄っ張りの性格だったらしいことを鑑みるに、さぞやマルクスも草葉の陰でニンマリしているのかもしれませんねw。
https://seiwanishida.com/archives/11091
また妻のイェニーが貴族の家柄だったことを誇りとしていたマルクスは、愛娘3人には「英才教育を施すため」妻の持参金とエンゲルスの送金とを惜しみなく注ぎ込んだみたいです(一方認知されなかったフレディは一プロレタリアートとして生涯を終えた模様)…この人、本当に労働者の味方だったのかしら? 単なる「メシ(&名声)のタネ」に労働者を利用しただけでは?(苦笑)。
>アゲてひろがるワンダホー! キュアバタフライ!
この新成人やりたい放題だなw(褒め言葉)。個人的には「はじけるレモンの香り!キュアレモネード!」に並ぶインパクトある口上でした(笑) 。
>今週の読書
20年ほど前に一時期ワイドショー界隈で盛んに取り上げられた「あの事件」の内実を知りたくて読んでみました(↓)。
https://www.amazon.co.jp/%E7%99%BD%E8%A3%85%E6%9D%9F%E9%9B%86%E5%9B%A3%E3%82%92%E7%8E%87%E3%81%84%E3%81%9F%E5%A5%B3-%E8%AB%96%E5%89%B5%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E9%87%91%E7%94%B0%E7%9B%B4%E4%B9%85/dp/4846021653/ref=sr_1_1?adgrpid=150439144927&hvadid=651363446336&hvdev=c&hvqmt=b&hvtargid=kwd-1965447899222&hydadcr=11015_13607539&jp-ad-ap=0&keywords=%E7%99%BD%E8%A3%85%E6%9D%9F%E9%9B%86%E5%9B%A3&qid=1685956385&sr=8-1
何であんな風に徹頭徹尾白ずくめで、しかもワゴン車に載って絶えず移動していたのかと思ったら、あれは絶えず「共産主義者からの電磁波攻撃」に晒されていると主張する教祖の女性の「移動住居」だったみたいですね。神掛かり的な霊媒体質の持ち主だったとはいえ、どうしてこんな引き籠りの老女に一時期は推定一万人もの信者が従っていたのか、謎は解けないまま読了しましたw。
この手の新興宗教にしては階級的・組織的集金システムなどとは珍しく無縁で、「来る者は拒まず、去る者は追わず」的な態度を貫いているのは面白いですね。従って活動末期には比較的まともな信者からどんどん脱落して行き「ワガママし放題の教祖の理不尽なオーダーにどこまで我慢出来るか」を巡り、残ったガチ信者らが互いに競い合うチキンレースが繰り広げられることとなります。これこそまさに“サンクコスト効果”の好例ってヤツでしょうか。人間の奥深さの一端を垣間見るという意味で、もし図書館にあれば是非とも手に取ってみてくださいw。