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スレッドNo.197

台風7号もそろそろ通り過ぎたかな

 雨も風も強かったけれど、今回は概ね想定内かな…と思っていたら風向きのせいか雨漏りが(泣)。


>犯罪学教室のかなえ先生

 読了しました。10代の読者を念頭に置いた堅実かつ分かり易い内容から、今更ながらこの方は歴とした「その道のプロ」なんだなぁと改めて実感しました。

 興味深かったのはp.165からの記述ですね。少年犯罪は2012年以降毎年戦後最少の記録を更新し続けているそうなんですが、「減少を続ける少年ヤクザや暴走族などの反社会的非行少年と入れ替わるかのように「他者との関わり方がわからない」「感情や気持ちを伝えることが苦手」な非社交的な非行少年や発達障害、知的障害などの特性により、改善更生のために個別的かつ手厚い支援が必要な非行少年が顕在化」しているのだとか。

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 ヤンチャだったり、すぐキレる子は問題点が常時露見しているので比較的教育をしやすい一方、非社交的な少年の場合だと、まず心を開かせないことには効果的な教育ができません。したがって、普通の非行少年よりも慎重かつ長い時間をかけた教育が必要になってきます。おとなしい子が少年院の場合だと手のかかる子になってしまうのです。(p.166)

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 いわゆる「引き籠り」の方が扱いにくいってことみたいですね。序でに思い出しました。同じく犯罪者類型の変容について、小早川明子『ストーカー ―「普通の人がなぜ豹変するのか」― 』(御大が紹介されたもう一冊は図書館に置いてなかった)にも面白いことが書いていましたね(↓)。

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 2014年ごろまでは、私のところで扱う事案の多くは、リアルな人間関係を背景にしたストーキングでした。交際相手が別れ話を切り出したのに納得せず、つきまとってくるといった男女間の問題が全体の六割ぐらいを占めていました。…… [「相手に謝ってもらいたい」などの加害者側の]数々の「言い分」は、カウンセリングをする際には、かえってその足場となってくれました。また直接加害者の話を聞くことは、加害行為を激化させないための時間稼ぎにもなりました。

 ところが、世の中にSNSが浸透してくるにしたがって、一度も会ったことがない、メールアドレスも知らないような相手からストーキングされるという案件が増えてきました。…… 彼らは、SNS上で知り合った相手に関心を抱き、接近欲求を募らせ、ツイッターなどへ書きこみをして、反応をほしがります。…… いわゆるアイドリング期間(言い分を言っている期間)がなく、単に復讐したいという欲求だけがドライブし、暴走していくのです。(p.68-69)

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 リアルな人間関係があればあったで、無ければ無いでゴタゴタが発生するのが人の世の常ということみたいですね。そんな時代の変化に(世論の突き上げを喰らうため)嫌でも対応していかなければならない「お役所仕事」を司る「警察や裁判所などの中の人達」も、他人事ながら実に大変だなぁと思いましたw(苦笑)。


>複合的な要因による社会的要請って感じ

 岡本氏の著書を読了して、序でに先日新規アップロードされていた動画の後半も視聴しました。実に勉強になりますね。「天下の悪法」のイメージが自分の中で大分書き換えられたように思います。

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 ここで、話を本章の初めに戻し、「高貴な実験」は本当に失敗だったのかを考えてみたい。…… ただ、一つだけ確実なことがあった。1915年には全米第五位の資本投資額を誇り、また世紀転換期から、連邦政府へ治める酒税が、国税局へ入る全租税収入の30%を下回ったことがなかった酒造業界の力は、もはや存在しなくなったことだ。…… 酒場と政治腐敗の関係はどのようになったかと言うと、これもかなり改善された。それまで知事や市長の任命によっていた地方公務員の任官方法が、「革新主義改革」の一環として、徐々に公開試験制度になり始めた。これは、もぐり酒場を政治から遠ざける決定的な要因になった。このように見て来ると、酒造業者と酒場を淘汰することで、政治および社会の浄化を図るという「高貴な実験」の第一の目的は、かなり達成されたと言える。…… 飲酒量の減少は、酒場での喧嘩など治安紊乱のため検挙された者の数や、肝硬変やアルコール依存症での死亡者の数など、さまざまな統計上の数字として表れた。…… このように考えてくると、第18条とヴォルステッド法が目的とした、酒造業者と酒場を淘汰すること、そして一般国民、特に労働者の飲酒量を減らすことは、不完全ながらもかなり達成できたと言える。

 ……しかし一方で、「実験」によってさまざまな「副作用」が生じ、時間の経過とともにそれらは悪化し続け、マスコミによって衆目にさらされることになった。…… 実際、「副作用」をいつまでも放置できなくなっていたことも、当時の状況としてあった。国民の一部が酒を飲み続ける一方で、飲めなくなった国民が多数いるという不平等な現実。国家の礎である憲法が、ほとんど罪悪感なく踏みにじられている無秩序状態。犯罪者が巨万の富を築く矛盾、このような状況下で、そろそろ「実験」を中止してもいいのではないかというコンセンサスが、国民の中に徐々に、しかし確実に生まれて行った。そして、このコンセンサスを実行に移させるきっかけになったのが、大恐慌だったのである。
(第六章:禁酒法は何をもたらしたのか p.203~211より抜粋)

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 禁酒法は、米合衆国が「近代国家」に生まれ変わるために通らなければならなかった「歴史的必然」だった…個人的にはそんな感慨すら覚えました。


>今週のプリキュア

 「両親の離婚&姉妹が二手に別れて暮らす」という「割と重い過去」を抱えているにも拘わらず、三姉妹とも恙なく成人し、いずれも「色々あったけれど、今ではすっかり笑い話」に昇華出来ている…という設定は最近のアニメには珍しいんじゃないでしょうか。いじめだの毒親だのに起因する「過去のトラウマ」を安易に振りかざす創作物に若干食傷気味だった私には、随分と新鮮に映りましたね~。

編集・削除(編集済: 2023年08月15日 15:12)

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