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スレッドNo.290

「全部一緒は無理なの!」=「だってお前犬じゃん」

>いろははこむぎがいなくても生活が成り立ちますが、こむぎはいろはがいないと成り立ちません
>彼女の世界はいろはに全面的に依存しています

 年の差のある姉妹以上に、ペットと飼い主という立ち位置の違いから来る埋めがたい断絶を突き付けてきたなという印象ですね。精神年齢の低さを鑑みるに、こむぎがいろはと同じ中学校に通う…というのはどうやら難しそう(今回はパトロンの権力者も居ないし)…そもそも学校エピソードが始まったら、まずは重度のコミュ障との絡みがありますしね(笑)。


>「こむぎ、いろはとケンカする」

 何だが、かの「必殺仕事人シリーズ」リスペクトっぽいなぁww(↓)。
 https://homepage-nifty.com/edonokuroneko/program/23sigotonin5.htm


>プリキュア玩具の発動条件

 いくら切実な願いでも「いろはと一緒に居たい」だけでは単なるワガママに過ぎませんからね~。要するに「大事な日常を守りたい」とか「困っている人を助けるのに理由なんて要らない」といった利他的要素が無いとダメってことなんでしょうね。


>パトリック・カール・オブライエン『「大分岐論争」とは何か』

 頑張って最寄りで無い図書館に行って来て、先ほど読了しました。『大分岐』が上梓されて以降の侃々諤々の論争を著者なりに要約し、独自の見解を付け加えているコンパクトな一冊なのですが、原文のせいなのか翻訳のせいなのか何とも意味が摑みにくい(購入しなくて正解でしたw)。まだしも分かり易い記述を拾い出すとこんなところかな(↓)。

◆◆◆

 石炭に話を戻すと、アジアとヨーロッパの両大陸は、産業用と家庭用の熱源(熱エネルギー)としての性質があったことは、よく知られているように思われる。…… 明国も清国も、中国が埋蔵していた本当に膨大な量の石炭を早くから開発するためにあまり熱心ではなかった。採鉱共同体が拡散することにどちらかというと反対だったのは、それが国内の秩序に潜在的な脅威となっていたからだ。

 一方……ヨーロッパ人(とくにイギリス人)は、石炭に具現化される経済成長のための大きな潜在能力を探索し、開発した。第一に、この議論にとってもっとも重要なことに、化石燃料は、木材に対するより弾力的で重要な代替財となった。…… そのため、西洋と東洋の両方の地下の森林は、もしそうでないなら木材を生産するために栽培できた土地を牧草地とし、人間が消費することを目的とし、食糧と繊維を栽培するために、家畜を養い耕地を保持したのである。…… [研究者の一人]ネフは、イングランドが幸運にも早くから石炭を入手して輸送することができたこと、食糧と原材料の生産をするための土地と労働、資本を保存するために大きな比較優位へと展開したことを記した。そのため石炭は、労働省を農業以外の仕事へと解放し、より多くの労働者の一団を都市に移動することを促進したのである。(本書 p.87~9)
―――
 オブライエンは、[ポメランツに代表される]カリフォルニア学派の意見に同調することも、批判することもある。…… 生活水準から判断するなら、ポメランツが言う1750年頃よりも以前に、ヨーロッパの水準が中国のそれを上回っていた可能性は高い。だが、その時期を明示することは不可能であろう。中国は間違いなく、有機経済[=生態学的多様性を担保する多彩な作物と家畜とを組み合わせた近代以前の農法をベースとした経済]では世界最大の経済大国であった。オブライエンは、おそらくポメランツ以上に、中国経済の水準の高さを評価する。しかし中国は、ヨーロッパ経済と違い、有機経済の段階=スミス的経済成長[比較的自由な市場・広範な分業による手工業の展開・高度に商業化された農業の発展を特徴とする] にとどまり、産業社会の形成に行き着くことはなかった。その理由について、ポメランツのいうように、イギリスで石炭が燃料源として使えた重要性は認めたうえで、中国にあった石炭は蒸気機関の動力としては使用されなかったことが、中国が産業資本主義経済へと至らなかった決定的な問題点であったと考える。しかしポメランツとは異なり、大西洋貿易ではなく、ヨーロッパの周辺地域の農地拡大が、ヨーロッパの人々に食糧を供給した意義を強調する……ポメランツの『大分岐』がヨーロッパの交流の要因を明らかにしようとした書物であるとするなら、本書は、中国が有機経済から無機経済へ移行しなかった理由を述べた本なのである。(p.144~5・訳者解説より)

◆◆◆
 
 私なりに著者の主張を纏めてみると……有用な農作物や家畜に恵まれ、また政治的安定を比較的保持していたこともあり、経年劣化で多少ガタが来つつあった生産システムにその都度マイナーチェンジを施しつつ人海戦術でどうにか乗り切って来た中国と、労働集約的なマンパワーおよび再生可能エネルギー源(木材や水力など)を、全面的に化石燃料(石炭)に代替させることを「偶然」思い付き、結果農用地を使い潰さずかつ余剰労働力をも確保することとなったイギリスとが、その後の産業革命を経過して大きく分岐していった……ということかな。他方ポメランツの主張の一つの根幹をなす「新大陸の発見とそこに投入した労働力(アフリカ奴隷)」という外生要因についてはほぼガン無視している印象を受けますね。

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