何だか黒江パイセンの方がまともに思えて来たぞw
>北宇治メンバーが実際にはチグハグ
>実力主義っていうけど内輪で仲良くしてるだけ
社訓と内実とに大きな乖離がある中小企業に、一部上場企業から移って来た中途入社組が困惑しているというイメージかな(私には経験が無いからあくまで推測ですが)?。恐らく出自さえ上手く隠せていたら(転校前は吹奏楽部の強豪校に在籍)、性格的に黒江さんは己の真の実力を隠したまま「みんなで仲良く楽しく」ユーフォを演奏していたんじゃないかなぁとは思いますね。
>ユキにとってまゆは理想の、穢れなき存在で、彼女を守るためなら自分の手を汚すことをなんとも思ってない
>自分は影の存在で良いって判断
成程ね、J.D.サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』の主人公のホールデン・コールフィールドがユキ、最愛の妹のフィービーがまゆだと考えればしっくり来ますね(↓)…とは言えユキがわざわざまゆの面前でこむぎ達に「これ以上まゆには関わらないで」と釘を刺すのは、まゆにも「こむぎ達とはこれ以上関わりを持つな」と暗に諭しているように私には思えるのですが…。
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「とにかくね、僕にはね、広いライ麦の畑やなんかがあってさ、そこで小さな子供たちが、みんなでなんかのゲームをしてるとこが目に見えるんだよ。何千っていう子供たちがいるんだ。そしてあたりには誰もいない ― 誰もって大人はだよ ― 僕のほかにはね。で、僕はあぶない崖のふちに立ってるんだ。僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子をつかまえることなんだ ― つまり、子供たちは走ってるときにどこを通ってるかななんて見やしないだろう。そんなときに僕は、どっからか、さっととび出して行って、その子をつかまえてやらなきゃならないんだ。一日じゅう、それだけをやればいいんだな。ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。馬鹿げてることは知ってるよ。でも、ほんとになりたいものといったら、それしかないね。馬鹿げてることは知ってるけどさ」( 野崎 孝 訳)
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そういえば、ついこの3月にNHKで放送されたサリンジャーの特集番組の中でも触れられていたんですが、彼は本作を「第二次世界大戦に従軍した際に被った“心の傷”を癒すためのリハビリとして」執筆し始めたんだとか(↓)。そうか、小説のラストで主人公のホールデンが精神病院に収容されている設定なのは、サリンジャーの実体験が反映されていたということなのか…知らなかったな~。
https://book.asahi.com/article/12016522