田中の妖精体は劇場版でお披露目されるのだろうか
それこそ「どこに需要があるの?」って感じですがw。
>マスコットとしてはだいぶ癖が強いのでタイミング的にも追加戦士候補が有力
確かに癖強めですが、それでも『Yes!プリキュア5』時代のミルクを超えるものでは無い気がします。まぁ年下のご近所幼馴染のメンタルと、一国の黒幕宰相ポジのそれとを比較しても仕方が無いのですがw(笑)。
うたやななの級友の中に目ぼしい追加戦士候補は今のところ居なさそうなので、プリルンかメロロン、あるいは『Hugプリ』のように二人同時かもしれませんね。
>GW中の読書
●トーマス・マン『ブッデンブローク家の人びと ― ある家族の没落 ― 』1901年発表
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トーマス・マン26歳時に発表した大長編。北ドイツ(当時はプロイセン王国)のとある新興商家の四代に亘る栄枯盛衰を描いた半自伝的長編小説です(一家のモデルはマン自身の一族)。図書館から借りた岩波の初版本には系図や人物関係図が添付されていないので極めて読み進めにくいですね(私はネットの拾い物を利用しました)。
作品全体としてのイメージは(私はPartⅠしか視聴していませんが)映画『ゴッドファーザー三部作』に近いものがあります。かのPartⅠ冒頭の有名な結婚式のシーンとかは、そのまま小説冒頭の「一族郎党プラス懇意にしている町の有力者らによる新居購入記念祝賀パーティ」の華やかな夕べに重なりますね。そして作中人物らが世代交代の度に生き死にを繰り返しつつ、主要登場人物の中で唯一全編通して登場するのはジャン(後述)の長女アントーニエ(トーニ)だけというのも『ゴッドファーザー』のマイケル・コルレオーネを彷彿とさせます。
因みに作中では1835年から1878年まで40年余りが経過しますが、この間に生じたドイツ関連の主な歴史的出来事としては以下の三つでしょうか:
① 1848年の三月革命で成立したフランクフルト国民議会(1849年武力弾圧により解散)がドイツ国憲法を制定.
②1866年のプロイセン=オーストリア(普墺)戦争 → プロイセンの勝利.
③1870~1871年のプロイセン=フランス(普仏)戦争 → プロイセンの勝利&ドイツ帝国の成立.
ただ①②③いずれもこの物語では、商会の利害に関連して申し訳程度に言及される以外は前面に押し出されて語られはしません(③については言及すらされない…まぁ①によって隣国フランスのように体制が根底からひっくり返った訳でもないし、②③は所詮勝ちいくさですしね)。
またこの物語が一貫して「貴族に遇せられることを目指す成り上がり出自の中産上流階級」目線で語られているというのもあるからでしょうが、社会の下層階級の人々については「無学・無教養で金銭に意地汚い下男やらメイドやら倉庫の荷物運び」として一括りに語られるだけで、その描写は如何にも薄っぺらです。一応若かりし頃のトーニが政略結婚を押し付けて来る実家に反旗を翻して、避暑地にて使用人の息子の自由主義者モルテン(=革命家のタマゴ)と相思相愛になるエピソードもあるにはありますが、あくまでその後のトーニが「何よりもお家の誉れこそが大事」へと大きく舵を切っていく理由付けとしての添え物扱いでしかありません(事実モルテンの「その後」が詳細に語られることも無い)。従って当時高揚したはずの「下からのナショナリズムの熱気」を窺わせる描写もここ以外はほぼ皆無です。まぁマンの社会的出自からすれば、26歳当時ではこの程度の視野しか持ち得なかったということだったんでしょうが(毒)。
偏屈ながら類稀なる商才で商会の最盛期を築いた祖父ヨハン、後を継いだ父ジャン、その息子トーマスと代が下るにつれて一族全般が活力を失っていくのは、スペイン・ハプスブルク家やメディチ家の例を見るまでも無くある意味歴史的必然なのかもしれませんが、それにしても落ち込み具合が極端過ぎるという印象ですね。やる事なす事悉く上手くいかず、早くも齢50歳にして気力体力共に尽き果てたトーマスは行きつけの歯医者で不適切な治療を受けた直後に謎の急死を遂げるし、その息子の生来病弱で線の細いハンノに至ってはどうにか15歳まで生き長らえるもチフスを罹患するや呆気なく亡くなるし、親戚の男子らは揃いも揃って実家におんぶに抱っこの生活破綻者揃いだし…1800年代後半のドイツは資本主義の勃興期に当たるので社会全体は活気に満ちていたはずなのに、この一族は見事なほど「時代から取り残されて」しまっているのですね。
という訳で、ドイツの小説ジャンルと聞くと真っ先に思い浮かぶ、いわゆる「教養小説」では全くありません。トーニにせよトーマスにせよ若死にしたハンノにせよ、長じるにつれてそれぞれ以前から抱いている人生観に頑なに固執していくことはあっても、人としての度量が広くなったり視野が広がったりと言った成長を感じさせるエピソードが一切登場しないんですよね。確かに終盤になるとトーマスやハンノらが我が身を内省する描写が増えることは増えるのですが、正直同じところをただただ堂々巡りしているだけという印象しか受けません。トーニに関してはそれすらなく、彼女の価値尺度は「如何にして実家が市井の尊敬を集め、市内の同業者らに大きな顔が出来るか」に終始しており、二度の結婚がいずれも破談に終わって以降は人間的にも次第に魅力を失ってゆきます。
あと読んでいて感じたのは、時代的に女性の社会的地位が低いのは仕方が無いとしても、家政においてすら存在感を感じられないのが不思議ですね。前述の通りトーニはモルテンとの訣別の後、「実家にとって有利な人脈と財政的援助とを取り付けるために、将来有望な羽振りの良い商会の御曹司と結婚すること」を人生の目標に掲げるようになりますが、その志の割に実家の財政状況すら全然把握していないし、子育てすら主に乳母が代行しているなど、要するに「結婚イコール人生のゴール」と見做しているっぽいです。他の女性陣を見ても、慈善活動に没頭して気を紛らすか、極端に信心深くなるか、適齢期を過ぎてオールドミス化して以降は実家でのんべんだらりと過ごすか、トーマスの妻ゲルダのように趣味の音楽に専念するか… 要するに当時のこの階級クラスの女性は総じて仕事も家政も他人任せで、「暇を持て余していた」みたいですね。
以上つらつらと思い付くままに記しましたが、お分かりの通り一読をお勧めするには正直微妙な作品です(苦笑)、まぁ当時の貴族的立ち位置からは社会はこんな風に見えたのだなぁと割り切りさえすれば、客観描写の積み重ねでテンポ良く話を展開していく筆致は中々のものです。若書きゆえに構成に難を感じる部分も感じないではありませんが、26歳という年齢を考えれば、これだけスケールの大きい作品が書けたのは十分評価に値するように個人的には思いますね ― とは言えノーベル文学賞の受賞理由となるほどの出来かというと…う〜んw(毒)。
● 栗田シメイ『[ルポ] 秀和幡ヶ谷レジデンス』毎日新聞出版2025
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・戦いのカギは、「過半数の委任状を集める」こと!
・「1票でも相手に勝てば官軍。負ければゼロ。マンション自治の世界は政治と同じなんです。」
(表紙裏のオビの文句より)
◆◆◆
「独自の謎ルール」を押し付けて来る管理組合の理事長一味VSマンション住民(厳密には区分所有者)達の1200日間に及ぶ闘争の記録です。
読んでいてちょっと面白いなと思ったのは、「マンション住民の過半数の支持を取り付けて、通常総会に臨むことを目指す」目的達成の過程で、ともすれば主観的な「正論」を振りかざすだけに陥りやすい「マンション運営の正常化」なる論点に加えて、「理事長の謎ルールのせいで、近隣の同水準のマンションに比べ著しく不動産価値が下落している(つまり転売目的のため購入したのに儲からない)」という論点からも支持拡大に努めた、という件でした。マンションの「区分所有者」の中には住むためというよりも老後の資産形成目的の方もいらっしゃる訳ですから、上手いところに目を付けたな、と感心しました。
ただ本書の記述に関しては正直喰い足りない部分が多々あるのも事実です。糾弾する側のエピソードは豊富に語られる一方、(取材申し込みを頑として受け付けなかったから仕方無いのですが)元理事長の言い分が一切反映されなかったのは何とも片手落ち。まぁそれは百歩譲るとしても、「現状維持」を求めて元理事長を(委任状という形で消極的ながら)支持した半数近くの住民に対する取材を行った形跡が全く無いのは、ジャーナリストの端くれを公言する著者の姿勢からすれば職務怠慢と言われても仕方が無い気がしますね(毒)。
まぁそれらの欠点はさて置き、民主主義というのは本来これほど泥臭く手間が掛かるものなのだということに改めて気付かせてくれたのは評価すべき点かなとは思います。お近くの図書館に置いてあれば一読してみても良いのではないでしょうか(私の場合どこにも置いてなかったので買って読みましたw)。
>内需が弱い?
>アメリカ以外の輸出先だけでやっていけるのか?
輸出先の消費が冷え込んだ理由が高関税ではなく大規模な景気後退(恐慌)だったという違いこそあれ、(AIの指摘が正しいとすれば)内需が極めて弱く、主要輸出品(当時は生糸頼みという典型的なモノカルチャー経済)による利潤獲得がほぼ米合衆国頼みだった戦前の日本にまんま重なって見えますねぇ。
◆◆◆
[1872(明治5)年の地租改正により]地租は金納となっても、小作が地主に納める高額な小作料は物納のままでした。生産高の6割近くをもっていかれ、手元には自家消費分しか残りません。…… 1890年代には小作地率は40%台に達し、小作料収入でやっていける地主は耕作から離れる動きが進みました。まさに土地にパラサイト(寄生)するという状態で、「寄生地主制」の成立です。寄生地主は、蓄えた富を株式や公債に積極的に投資していきます。…… 一方、小作層からは女子が安価な労働力として供給されました。……
このように、寄生地主制は資本と労働力の供給源となるという形で、資本主義の発達の基盤となりました。しかし、それは戦前の日本経済の構造的な脆さを内包するものでした。すなわち、高額の小作料をせしめられているがゆえに、低賃金で働かされているがゆえに、購買力がない。つまり、国内市場が育たなかったのです。……
さて、国内でモノが売れないのならば、海外に市場を求めるほかありません。…… 国内の基盤に支えられた製糸業は貴重な外貨獲得産業でした。…… 生糸の最大の輸出先はアメリカです。…… しかし、そのアメリカを震源地として1929年10月に世界恐慌が発生します。…… アメリカへの生糸輸出は激減し、それに伴って繭価も下落しました。…… 残された方法は、軍事力で市場を確保すること。こうして、東アジア植民地侵略をめざす構造が生じました。(相澤理『東大のディープな日本史』近世・近代編 p.280~282, p.353~354より抜粋)
◆◆◆
実際に軍事力を行使するかどうかはさて置き、「戦前のブロック経済」再来のシナリオが俄然現実味を帯びつつある昨今の世界情勢ですね。ただ戦前のように公然たる「植民地獲得行為」そのものが最早許されない時代ですし、また現在の米合衆国のように同盟国・非同盟国関係無く全方位的に「高関税を課す=ケンカを吹っ掛ける」手法だと、そもそも一緒につるんでくれそうな国を見つけるのが難しそうにも思いますが(苦笑)。
>生き甲斐
好きな読書が出来る環境と健康、そして読後の感想を気兼ねなく吐露できる場(この掲示板含む)が維持出来るのが一番かな(ここで愛妻とか愛娘とかが真っ先に思い浮かばないのが如何にもシゾイド気質ですね(苦笑))。
>まさかのアナログwww
ははは…とは言え学内でも特に注目されている二人ですし、学校の敷地内で「お交わりになられている」以上、いつまでも身バレしない方が不自然な気もしますけれどね。
>「普通」は金で買える
同感です。シゴデキの度合いが人としての価値、それが資本主義の評価基準ですものねぇ。