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スレッドNo.525

寄付ビジネスは闇が深い

>過疎ビジネス https://amzn.asia/d/0uUaeBt
 福島県国見町で起きた地方創生ビジネスの闇を暴いた本。
 実はこの本で初めて知ったんだけど企業版ふるさと納税というのがあって、寄付額の最大9割が還付される税制優遇制度。これをどう悪用するかというと、

A社(DMM.com)が地方自治体に寄付。
 ↓
B社(ワンテーブル)が上記の自治体と事業提携する。実際にはこの会社は地方創生事業のコンサルタント的な役割。
 ↓
C社(ベルリング)がB社から受注する。この会社はA社のグループ企業。

 という感じでいわゆる三店方式的に資金還流するってやり口。当然ダメなんだけど、寄付した会社名を匿名にすることで見えづらくしたり、C社しか受注できないように意図的に仕様書を作り込んだり、抜け道は多い。
 これのポイントはわざと弱小の地方自治体を狙っている点。人材が乏しく、限られた人数で仕事を回しているので仕事を兼務しがち。地方創生事業の申請書すら自前で作れない。そこに付け入って主導することで単一事業どころか行政の仕事を乗っ取ってしまう。B社の社長が「(地方議員は)雑魚」って言ってる録音データがあるんだけど、まあそうだよねって。人口数千人、その大半が高齢者になっているような自治体なんて金も人材もないわけで。

 ……てな話を詳細に書いているんだけど、如何せんスケールが小さいというか、木を見て森を見てない感じがジャーナリストが書いた本って感じ。もっと突っ込むならそもそも企業版ふるさと納税が地方バラマキ政策なわけで、これは地方にとっても国にとっても政治的にも楽なやり方な面があるんだけど、そういう雑な仕事をシステム化していることをもっと批判的な目で見るべきじゃないの?って思う。最早地方創生自体が絵空事で、本来やるべきは老朽化したインフラを補修すること、そして人口減少に対応するための再設計であって、どこからか金を取ってしょーもない事業にそれを突っ込むなんてやり方そのものが全くのアホとしか言いようがない。これは全体を俯瞰して設計する視点が完全に欠落しているからなんだけど、まあ、そういう大きな仕事ができねーんだろうなって思う。そういう視点で書いてくれればタイトルの『過疎ビジネス』にもっと説得力が出るんだけどね。要するに国や自治体の怠慢につけ込まれてるんだよ。

 ちなみにこの寄付ロンダリングはアメリカがやっぱ最強で、自分の金を自分が作った財団に寄付することができるので超富裕層の税優遇になってたり、ビル・ゲイツの財団なんかが有名だけど最早国家レベルの資金力があるので実質国家レベルで影響を与えたりと規模がデカい。

 厳しい口調にはなったけど、コンサルってこんな仕事もしてるのねって意味では興味深い本。


>官僚を「選挙で選ばれていない」ことを理由に罷免
 民主主義を否定してるっぽいから、そこが「AI」に置き換わるんだろうね。俺はAIに選ばれたからセーフ理論。これが現代の王権神授説。


>“自己否定”して、より大きなものの一部になったつもりになることで、不安を解消しようとする人
 本の中でも「DV彼氏に依存する彼女」みたいな喩えがあった気がするけど、そういう人が多数派かって言ったらそうじゃないだろうしなぁ(苦笑)。この道の者さんが指摘しているようにどうにも結論から逆算している感がある説明でしたね。だから「行き着くところはナチズムね、はいはい」って感じで流してました。


>世界十代小説
 今だったら人種(黄色人種は含まない)と性別(LGBT含む)に配慮されてない。やり直し!って言われそう。
 ボヴァリー夫人は図書館であらすじ読んでそっ閉じした。今更キッツい。


>ハンナ・アーレント
 ああ、それは私の先走りですね。AIと会話したときに「徹底したリアリスト」や「制度(システム)」のワードを聞いていたので論理が飛躍しちゃいましたね。
 「人々が政治・社会のあり方を巡る共通の課題に関心を抱き、公共の場において特定の個人や集団の利益を離れた対話を行い、言葉で相手を動かし共同体を形成する」って言っても普通の人そんな頭回らねーだろという私の思想が前面に出てしまいました(苦笑)

編集・削除(編集済: 2025年08月17日 21:33)

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