ちよ嬢は使い捨てにするには惜しいキャラですね
クラヤミンダー撃退後、体育館床にしどけなく横たわる姿とか特にw(←帰れ)。
>権力者に対立するのではなく応援(票の移譲)することで既得権益を守る回
>今年のプリキュアは強い
身も蓋も無い纏め方ですねw(笑)、まぁ実際その通りの内容なんですが。
『トロプリ』でまなつらトロピカル部の活動が学内で少しずつ認知されていったように、自身の信念が単なる掛け声だけではなく、確かな実績(数字)に裏打ちされたものであることを示す、最終決戦直前を飾るに相応しいエピソードだったように思いました。
>ソ連は第二次大戦のとき連合国側だし、共産主義との戦いは戦後の冷戦がメインだからこの道の者さんの意見だと範囲的にかなり狭い
言われてみれば確かにご指摘の通りですね。「共産主義(社会主義)が資本主義国における社会福祉政策に及ぼした影響」をロシア革命(1917年)以降に限定するのは、仰る通り射程が狭過ぎました…とは言え「鉄血宰相」ビスマルクが社会保障を世界で初めて制度化した動機の一つに、ドイツ国内での伸長著しい社会主義運動を懐柔する狙いがあったのは事実みたいなので(↓)、その点では私の指摘も的外れでは無かったのかなとは思いましたw(←負け惜しみ)。
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…… [1875年のドイツ社会主義労働者党(後の社会民主党・現ドイツの二大政党の一つ)結成などの社会主義運動に対抗して]ビスマルクは…78年に社会主義者鎮圧法を制定して弾圧した…一方、ビスマルクは労働者に対して弾圧(ムチ)のみではなく、彼らの生活保護や福祉のための社会立法(アメ)をおこなった。つまり、社会改良的な法律をつくることによって、労働者の生活を保護した。1883年には疾病保険法が制定され、89年の養老保険法などつぎつぎと法令がだされ、それらは外国にも影響を与え、今日の世界の社会福祉政策の基礎となった。…… (『改訂版・詳説世界史研究』山川出版社2008 p.377より )
● 参考【世界史の窓・ビスマルクの社会政策】https://www.y-history.net/appendix/wh1202-127.html
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と、そんなことを考えながらさっき御大おススメのウルリケ・ヘルマン『資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか』を読了しました。全般的にとにかく論旨が明快で、門外漢にもとっつき易い記述が本書の何よりの強みですね。新しく知った事柄も無くは無かったですが、あぁこれは板谷敏彦『金融の世界史 バブルと戦争と株式市場』で見たわ~とか、どちらかというと既存の知識のおさらいに役立った気がしています。
産業革命の本家本元であるイギリスと違い後発組のドイツでは資本主義が純粋化した(=国家の介入が極力抑制された)時代を余り経験せず、常に国家からのバックアップを受ける形で発展を遂げ、19世紀末には工業生産額において当時世界2位にまで登り詰めるに至った(なお1位は米合衆国)…という経過を辿ったのは以前から知ってはいましたが(↓)、この手のジャンルの啓蒙書には珍しく著者がドイツ人ということもあって、その具体的内容や統計データについて詳細に述べられていたのは興味深かったですね。
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資本主義の形成のために国家の助けを必要とした重商主義段階に対して、資本主義が確立し、国家の助けが不要になった自由主義段階には、国家権力は、やむをえない悪と考えられた。ナポレオン戦争に勝ったイギリスでは、「安上りの政府」への要望がにわかに高まった。…… 自由主義段階のイギリスで、「安上りの政府」が実現できたのは、資本主義が最も順調に発展していたからであった。ドイツなど後進資本主義国でも自由主義的傾向がみられなかったわけではないが、はるかに短期間であり、またそのあらわれ方もゆがめられていた。…… もともとドイツではイギリスの自由主義的財政思想とちがって、国家は諸階級にたいして公平な第三者として資本主義の矛盾を調整し、社会正義を実現すべき任務をもつから、「高くつく政府」も何ら憂うべきものではないという思想が盛んであった。事実、1870年代から資本主義の矛盾が深まると、その経費は急激に膨張しはじめる。……
社会政策費、産業助成費の増加もいちじるしい。…… 産業助成費は、一方で他国の金融資本にたいして自国のそれを保護強化する面と、中小企業や農業を保護する面とがある。後者の面は、社会政策費ともつながり、資本主義安定のための費用といえる。金融資本の支配のもとに経済的な弱者が苦しんで社会不安が増大すれば、社会主義勢力が強まるであろう。これを防いで資本主義の枠の中で社会問題を緩和し、資本主義を安定させるために支出されるのである。…… こうして金融資本のための「高くつく政府」が成立する。
(日高 普『経済学 改訂版』岩波全書1988 p.200~202より抜粋)
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本書で他に心に残った点としては… 資本主義はイングランドの片田舎で「偶然」生まれたシステムだから、成長を義務付けられている資本主義が資源の枯渇によりいずれ終焉を迎えるであろう将来において「今はまだ認識されていない新しいシステムがいつかは作られるのでしょう(p.287)」との纏めも、そういや佐藤優が著作のどこかで同じような事を言っていたなぁ、なんて思ったりしました。
あとはそうですね…本書の後半で著者が繰り返し「労働者の賃上げの重要性」に言及していたのはなぜなのかなぁと思って調べてみると、どうやらドイツでは本書執筆時点(2013年)においては未だ最低賃金法が設けられていなかったみたいですね(2014年7月に法案成立)。ただその事情を差し引いても、数年前に韓国で最低賃金引上げによって経済が大幅に冷え込んだように私は記憶していたので、著者の主張にはちょっと違和感を持ちました。まぁ本邦の隣国とは社会的背景が違うんでしょうが。
>『裁判百年史物語』
>ロシア皇太子襲撃事件
大津事件といえば大審院長(現代の最高裁判所長官に相当)・児島惟謙(こじまこれかた/こじまいけん)ですよねぇ。一昔前の中学公民の教科書では「近代日本の草創期に、内閣の執拗な圧力に屈せず「司法権の独立」を守った偉人」的な惹句付きのコラムが必ず掲載されていましたが、現行の教科書では見掛けないですね。恐らくその理由は、(著書の夏樹氏も指摘されている通り)「国家権力の司法への不当介入を糾弾するお前も、直接管轄していない大津地裁の判決に口出ししとるやんけ」という“ブーメラン”が近年問題視されるようになったからかもしれません。あと司法権の独立絡みで言うと、大津事件とは逆に地裁の所長が担当裁判長に対して「お上への忖度」を促したことで物議を醸した「長沼ナイキ基地訴訟第一審判決(1973)」(自衛隊に違憲判決を下した唯一の裁判(第二審で破棄))も個人的には取り上げて欲しかったですが、流石にこちらは生々し過ぎましたでしょうかw(当時は担当裁判長もご存命でしたし)。
他にも「鹿児島2区のおける翼賛選挙無効判決(1945年3月1日)」(第4回)とか、虚言癖を有する単独犯の二転三転する自白に、警察と検察と無実の人間4名が足掛け18年間の長きに亘り翻弄された「八海事件」(第8回)とか、2008年に開始した被害者参加制度を生む切欠となった悲しい事件とか(第12回)とか、初めて耳にする話も多く非常に興味深く読ませて頂きました。ご紹介頂き有難うございます。
>歯医者
>昔に比べて技術や設備が洗練されててびっくり
分かります。私の行きつけの歯科医院ももう何年も前から銀じゃなくて、素材は不明ですが何か白いモノで虫歯を埋めるようにしていますから。あと私の場合、治療した歯を睡眠中の歯ぎしりで傷めないようにとかでマウスピースを作るようにと勧められて、最近はそれを嵌めて寝ていますね(もう慣れた)。
>ブルシット・ジョブの謎
>絶望に説明が下手すぎる。まるで要約になってない
一応私は図書館で借りて一通り読んだんですが、読んだことすら言及する気になれないほど酷い内容でしたねぇw(苦笑)。前書きで内容全体を俯瞰するとかせずにいきなりブルシット・ジョブの具体例の数々から入るので、筆者(とグレーバー)の問題意識が何処にあるのかすら掴めないまま読了しました。以前プレゼンした(コンマ秒でサーチが完了した)ChatGPTの文章の方が余程腑に落ちましたわw。
>今週の読書(簡易感想)
●ヴィクトリア・ロイド=バーロウ 著 /上杉隼人 訳『鳥の心臓の夏』朝日新聞出版2025
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裏表紙見返しの著者紹介によると「自閉スペクトラム症の作家として初のブッカー賞候補」になったらしい。どんなものかと思って取り敢えず借りて読み始めてはみましたが、冒頭で自宅を訪れてきたご新規のお隣さんと主人公(ASD持ち)との自己紹介を織り交ぜた雑談がくどくどと40頁弱続いて、早くも心が折れそうですw(苦笑)。この症例の持ち主がどんな思考回路をお持ちなのかというのは何となく理解出来たので、そのまま図書館に返そうかなぁと思案中です。
●村上春樹『職業としての小説家』
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創作を趣味とされる知り合いの信者さんに勧められて読了。この人の小説は相変わらず読む気にはなれませんが(毒)、自らの半生を振り返りつつ、これまで創作活動なるものに如何に向き合ってきたかが飾り気無く率直に述べられていて好感が持てます。何と言うか“熟成された文章”という趣で、久し振りに「ええもん読ませてもらってホンマおおきに」と腹の底から思える本でした。創作活動に興味がある人も無い人にもおススメですねw(私は無い人)。
>Amazonは本を一冊単位で自前で印刷できる
へぇ~それは知りませんでした。こうなるともう書籍分野では「向かうところ敵なし」という言葉がピッタリですねぇ。文庫本一冊が1000円を越えることも珍しくない(ホント高くなったよなぁ…)昨今、ますますリアル本屋から足が遠のきつつあるなぁと我ながら実感します。
>逆上がりできない奴がいきなり大車輪やろうとするな
私もマルクス『資本論』を読むにあたって、池上彰の啓蒙本から入りましたしね。そもそも思想上の「名著」を書き上げた偉人たちは、ただでさえ革新的なものの考え方を既存の(不十分な)用語を使って何とか説明するべく奮闘する訳ですから、どうしたって表現が難解になるのは当たり前なのでは?と思っています。
>ショーペンハウアー
「ベルリン大学の私講師(無給で講義をする講師)となったが、当時の哲学の主流であったヘーゲルの人気に圧倒され、大学を辞任した。(小寺 聡 編『もう一度読む山川哲学・言葉と用語』より)」…そりゃあ厭世主義を唱えたくもなりますわw(毒)。