感染症を扱った小説と言えば
アルベール・カミュ『ペスト』が長らく究極にして至高、と思っていましたが…うーん、ちょっとこれはガツンと来ましたね(↓)。
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「耐え難い臭気や腐臭」やら「理性も尊厳も置き去りにし、単なる獣と化した人間ども(というより男ども)の愚行」やらのリアルな描写の数々に、何とも胸糞悪い思いをしながら(←褒めてます)一気に読了しました。社会秩序の崩壊に際し、特に大きな皺寄せを被ることとなる社会的弱者(特に女性)にスポットを当てた本作は、確かに『ペスト』が執筆された時代には未だ生まれていなかったジェンダー的な視点を獲得しているように見えますね。
まだちょっと感想は纏まっていないんですが、ジャック・ケッチャム『隣の家の少女』とか夢野久作『ドグラ・マグラ』とかをクリアした人なら問題無く読めると思います、おススメです!(ニッコリ)。
>少しぐらい誤読しても総合的には大した問題にはならない、ということなのかもしれない
(↑)私も長谷部様の意見に共感しますね。
続編である『AIに負けない子どもを育てる』東洋経済新聞社2019などでも新井氏は一貫して、「短文すら読めない中高生がいる」のは(国家的)大問題であり、彼らが「文の作り(構文)を正しく把握したり、「と」「に」「のとき」「ならば」「だけ」など、機能語と呼ばれている語を正しく使えるようになること」を最重要課題と位置付けていらっしゃるようです。しかし、文章の論理的な読み取りが、教育現場においてそれほどまでの長きに亘り等閑にされ続けていたにも拘わらず、日本社会は曲がりなりにも進歩を続けて来た—それこそ将来の雇用を奪い合うライバルとしてのAIを開発するほどまでに― という単純な事実にこそむしろ注目すべきではないでしょうか。本邦の国語教育改革に注ぐ氏の努力と熱意は認めますが、どこかしら一面的なものの見方しかしてないように思えてならないですね。
>「(一部の)サルに日本語を教えても読み書きできるわけじゃない」ってこと
いわゆる教科書的な勉強に全く適性の無いタイプの人間は一定の割合で存在し、そんな彼らにどんなに優れた教材や家庭教師を宛てがったところで時間とお金の無駄でしかない…というのが、職業柄見慣れた光景ではありますねぇ。本人に対しては勿論のこと、スポンサー(親)には口が裂けても漏らせないホンネですがw。
>もうひとつの候補「レトルト」
ああ、確かに。そちらの意味も掛けていたのかもしれないですねぇ。
>完璧主義者は大変
「私の経験上、完璧でなければこの世界では生きていけません」… 裏を返せば、完璧にこなせないと判っている事柄には初めから手を出さない(=勝ち目のない土俵では勝負しない)ということでしょうか。今回「借り物の格言を超えて、自らの体験に裏打ちされた言葉を新たに紡ぐ」ことの大切さに気付いたゆいが、セクレトルーの人生哲学を肯定したことに彼女の人間的成長が表れていましたね。片や大人ポジであるはずのマリーの方が視野の狭さを思い掛けず露呈したエピソードでもありました。
>俺の酒が飲めねぇのか!(私も興味がない話はスルーするからヘーキヘーキ)
成程、これがいわゆるダブルバインド[二重拘束]かw…(しみじみ)。