日本の少年だからこそ表現できる歌を
日本において、ウィーン少年合唱団の来日が、当時の音楽教育関係者を動かして、児童発声の研究を進め、全国に少年合唱団が誕生しました。しかし、欧米の少年合唱団の多くがキリスト教の聖歌隊をそのルーツとしているのに対して、日本の少年合唱団のほとんどは、地域の音楽教育関係者が指導者であり、一時的なブームが過ぎると、その多くが長続きせず解散したり、少女を入れて少年少女合唱団となりました。今、海外の優れた少年合唱団を日本に招聘することだけが少年合唱を盛んにすることではないと思っています。今ある日本の少年合唱団を育てていくことが求められています。
昭和30~40年代は、日本の少年合唱が盛んだった時期でありますが、それは、発声において海外の少年合唱団を単純に模倣するだけではなく、日本の少年だからこそ表現できるドラマやアニメの主題歌をレパートリーとして歌っていったことが大きいのではないでしょうか。そこで、歴史を追って、毎月5作品ずつ、少年合唱(ボーイ・ソプラノ独唱)で歌われたドラマ・アニメの主題歌を年代を追ってご紹介していきましょう。
昭和32(1957)年
「快傑黒頭巾の歌」(伊藤 久男・上高田少年合唱団)
「少年探偵団」宮下 匡司・上高田少年合唱団
昭和33(1958)年
「遊星王子の歌・地球を駆って」(大江洋一 上高田少年合唱団)
昭和34(1959)年
「まぼろし探偵の歌」(岩瀬寛・上高田少年合唱団) &list=RDEM38aGMDEaoGcveKlz8tj-jQ&index=8
「赤胴鈴之助の歌」(岩瀬寛・上高田少年合唱団)