少年聖歌隊の伝統
以前、レーゲンスブルグ大聖堂少年聖歌隊が女子を入れるかということで、当地の記事を紹介したことがありましたが、今回は、最近アメリカのニューヨークタイムズに掲載されたイギリスにおける聖歌隊の少年少女混声合唱団化の動きを紹介します。過日のエリザベス2世の葬儀でも、聖歌隊が重要な役割を果たしました。キリスト教が国教である国と、日本のような国教のない国では、同じではありませんが、その動きは注目に値します。少年聖歌隊の文化が崩れることは、ひいては、少年合唱の文化の衰退にもつながると考えるからです。日本の少年合唱が厳しい状況に置かれている原因は、ヨーロッパと同じではありませんが、世界の動きは違った形であっても日本に影響することはあり得ます。この問題について、海外で少年聖歌隊の文化を守っているという情報があれば、お知らせください。
イギリスの伝統的な聖歌隊の歌っている姿を見ながら、少年でなければ出せない歌声をお聴きください。
ケンブリッジキングスカレッジ聖歌隊 アレグリ「ミゼレレ」
『「月寒の少年」をめぐって』は、音楽愛好家のノースエンド氏との共作です。その研究の中で、抒情歌「月寒の少年」が月寒の地域に親しまれるようになった理由と共に、上高田少年合唱団の選抜という狭い捉え方をしがちであったコロムビア少年合唱隊についてさらに多くのことを知りました。この研究を通して、一つの曲の背景を探ることが大切であることを改めて感じました。
「月寒の少年」 コロムビア少年合唱隊
「神州天馬侠」 コロムビア少年合唱隊
「ウラルのぐみの木」コロムビア少年合唱隊
田中誠人とその歌「ひとりごつ」についても、「日本のソリスト」に記載します。去年秋~冬に東京と大阪で上演されたミュージカル『オリバー!』で、キッパー役をしていることがわかりました。しかし、1回の鑑賞では、登場するフェイギンの子分である多くのギャングたちを「見て」いたのかもしれませんが、一人一人までを「観て」いませんでした。「見」と「観」の差は、いろいろなことろに出て来て、鑑賞の質を問うことになります。
ミュージカル『オリバー!』プレスコール
田中誠人が12月7日(水)の「2022FNS 歌謡祭 第1夜」で歌った「ひとりごつ」のYouTube映像は、アップされてもすぐに消されますので、歌声だけをお聴きください。
声楽家で、サカモト ミュージックスクール校長の坂本博士さんが12月3日にご逝去されました。「ボーイ・ソプラノの歴史」にも(5)『われは海の子』と不思議な縁があった坂本博士 と記載しています。ご冥福をお祈りいたします。