パリ木の十字架少年合唱団に成人男性の団員がいた頃
呉少年合唱団のコンサートレポートに、かつては、パリ木の十字架少年合唱団には、成人男性の団員がいたことを書きましたが、いつ頃排したのかを調べてみました。パリ木の十字架少年合唱団は、20世紀中頃から少年の声を中心とした活動に重点を置くようになった一方で、指導者や伴奏者、そして補助的な役割を果たす成人男性が合唱に参加するケースもありました。そのため、成人男性が全く参加しなくなった時期は1970年代半ば頃以降と考えられます。この時期には、少年合唱団の透明感やピュアな音楽性へのこだわりがより明確化され、成人の参加が徐々に廃止されていったようです。また、団員が少年だけになった後も、変声したらすぐに退団ということではありません。
パリ木の十字架少年合唱団の歌声の特色は甲高い歌声と思っている人もいるでしょうが、指導者によっても歌声は変化しているようです。コロナ直前の2018年の来日のときは、そういうことを感じませんでした。
ここでは、成人男性がいる時代の動画を紹介します。
ハラベ・タパティオ [メキシコの歌] (1958)
パレストリーナの「アヴェ・マリア」 (1967)
サン・マロの鐘楼 (1970)
二人の天使 (1972) &list=PL3B4CDE98E1655726&index=4
黒人霊歌 (1973)
なお、PCCBやpccb boys' choirで検索したら、たくさんのパリ木の十字架少年合唱団関連の動画を見ることができますので、関心のある方はどうぞ。
教会の聖歌隊を原型とする海外の少年合唱団は、変声後は男声部を担うことが普通です。日本では、ウィーン少年合唱団の来日の影響が大きかったため、少年合唱団といえば、小学生あるいは変声前の少年だけで構成されるという印象が強かったのです。少年合唱団(聖歌隊)の分類としてboysとmen&boysを区別している文書もあります。少年合唱団の分類で「boys」と「men&boys」を区別する場合、一般的に「boys」は変声前の少年(通常、10歳から13歳くらいまで)を指し、「men&boys」は変声後の少年(13歳から14歳以降)と成人男性を含むことが多いです。