戦争が始まると
昭和初期といっても、昭和12(1937)年の日中戦争以前と以後では、子どもの歌にも大きな変化が見られます。戦時中には、戦時歌謡的な要素を持つ曲が多く作られ、それは、大人だけでなく、当時「少国民」と呼ばれた子どもによって歌われることもありました。この時期の代表的な曲としては、「愛国行進曲」「海ゆかば」(昭和12 1937年)「同期の桜」(昭和16 1941年)などが挙げられます。これらの歌は、当時の社会情勢や国民の心情を反映しており、戦時中の日本の文化や歴史を理解する上で重要な資料となっています。また、子どもたちも「国を愛する心」や「戦争への協力意識」を育てることが重視され、歌の歌詞やテーマにそのような要素が強く表れました。「兵隊さんありがとう」や「愛国行進曲」のような軍人や戦争を賛美する内容が多く含まれています。これらの曲は、子どもがすぐに覚えられるよう、単純でリズミカルなメロディや、繰り返しの多い歌詞が用いられました。これにより、歌は広く普及し、短期間で多くの子どもたちが共有できる文化となりました。一方、「赤とんぼ」や「七つの子」といった詩的で感傷的な歌は、戦時色が強まる中で次第に影を潜めました。なお、これは、日本だけのことではなく、他の国々でも戦時中に士気を高めたり、愛国心を鼓舞するための歌が多く作られました。
兵隊さんよありがとう 昭和13年当時、新聞社の一般皆唱募集にての童謡 松原操・飯田ふさ子・コロムビア児童合唱団
愛国行進曲 斎藤 達雄・大久保 澄子・矢島 英子・佐々木 陽子
童謡 足なみ揃えて 望月 誠
童謡 ニコニコピンピンの歌 小坂勝也
童謡 小馬 小坂勝也