牛田智大の演奏を11年間鑑賞して
今年は、牛田智大のデビュー11周年になります。その間、生演奏とテレビやDVD・BR・YouTube映像で、その演奏を追ってきました。今回は、「ドイツ・プログラム」ということで、これまであまり採り上げてこなかったブラームスのピアノソナタ第3番をメインとするコンサートでした。演奏家は、常に次のリサイタルの演目についても考えていることでしょう。それが、どのように変容していくのか見続けたいと思っています。なお、「牛田智大のコーナー」では、他のコンサートと違って、リサイタル・ピアノ協奏曲・テレビやYouTube映像といった分類で書いています。この際整理しましたので、ご承知おきください。
よく考えてみると、コロナ以後、少年合唱のコンサート以外では初めてでした。しかし、観客が高齢化して、小中学生は、ほんの数えるほど。プログラムがドイツにこだわったピアノ曲ファン以外には、一般的には、親しみが少ない作品中心ということもあるでしょうが。約1700人入れる会場は9割埋まっていましたが、合唱だけでなく、クラシックファンの高齢化は、心配ですね。
久保陽貴は、変声中も高音をファルセットに逃げずに真正面からその時の声でソフトに歌い続けていることだけでなく、レパートリーの広さや、特にJ-POPSの歌唱について、独特の「オ(ヲ)」を「ウオッ」と発声するような日本語の美しさを壊す臭みと感じるような歌唱をしないことに好感を持っています。その歌の成長を追ってみましょう。
「Santa Claus Is Coming to Town」「雪のクリスマス」(2017年12月23日)
「115万キロのフィルム」(2021年3月28日)
「東京」(2021年10月3日)&list=RDdSQMvnT-MT8&index=5
「Tomorrow never knows」(2023年3月26日)
本当は、これまで「THE カラオケ★バトル」で歌った中では、「歌うたいのバラッド」が一番好きなのですが、完全版はネットで視聴できないので、テレビの録画を見ています。
北本莉斗は、もとより歌そのものはうまいのですが、変声期が近づいてきたこともあってか、最近高音をファルセットで歌うようになってきたのではないかと感じています。ボーイ・ソプラノの時期に「四天王」になると、その後変声期を迎えるため、その難しさを感じます。
なお、私は、「THE カラオケ★バトル」のAIマシーンによる採点には、ずっと疑問を持ち続けています。これは、令和2(2020)年9月に先代のTea Cupの掲示板に書いたことですが、現在も同じ考えを持っております。この番組は、本ホームページの中心的なテーマではありませんが、優れたボーイ・ソプラノはいろいろな音楽ジャンルに存在することや、継続して、一人の少年の歌声を追いかけることができるので、この3年ほど、U18とかU12は見ております。ご存じでない方のために、再度、加筆して掲示します。
「カラオケバトル」という番組そのものについて語ることは、このホームページの趣旨に合致しませんので、あえて、ホームページのジャンルとは関係のない掲示板に意見陳述します。
「カラオケバトル」は、これまで時々見ていましたが、音程の正確さ等いくつかの観点という客観性が一番求められますので、それだけが人の心を動かす歌かどうかと言えば、必ずしもそうとは言い切れないのではないかとかねてより思っていました。しかし、機械(AI)による客観的基準があることがこの番組の信頼性と共にわくわく感にもつながっていました。しかし、今回、ビブラート(抑揚・こぶし・しゃくり・フォール)がなければ加点がないとか、曲の長さという機械(AI)による評価の問題点が明らかになりました。(曲の長さは、何分から何分までかは、事前に出場者に知らせるべき問題です。)そのような採点基準ならば、クラシック系のボーイ・ソプラノや童謡・唱歌の歌唱は、たとえ世界的なトレブルであっても、イギリスの聖歌隊に見られるようなビブラートのない歌唱をすれば、予選敗退は確実です。しかも、それが1~2点の微小な差ならともかく、10点以上の大きな差になるとは、機械(AI)による評価基準の信頼性を揺るがすことになります。今回の小学生の出場者は、男女を問わず、9人全員がそれぞれの分野においてよい歌を歌っていました。とりわけ、優勝者の北本莉斗は、持ち味を生かして人の心を動かすよい歌を歌っていると思いました。
しかし、あえて申し上げます。この番組は、このままでは、音楽のジャンル別(例:①演歌、民謡 ②和洋のポップス ③クラシック,童謡・唱歌)にでもやらない限り、その権威を失墜していくのではないのかと思います。そのような意味では、素直に楽しめない番組でした。あらゆるコンクールには、勝ち負けや順位が存在し、その結果に対して嬉し涙と悔し涙があることを否定するものではありませんが、やはり、出場させる以上、歌唱時間を事前に明示することや、あるジャンルの歌が極端に不利になるということは、検討・改善すべき課題であります。
この番組をご覧になった方で、この件についてご意見があれば、どうぞ、お書き込みください。
少年合唱団から、少年少女合唱団に移行した大垣少年合唱団について、新しい情報が入りましたので、加筆します。今、「大垣少年合唱団」で検索すると、父子2代団員をしている方の情報もあります。こういうふうに、代々その地域に住んでいる家庭に生まれた男子が入団してくれれば、日本の少年合唱団もここまで苦しい状況にならないと思うのですが、子どもがそういう音楽分野に興味を示さないこともあると考えられます。これは、マスコミが少年合唱の魅力を報道しないことが最大の理由です。欧米の場合、聖歌隊の伝統があるので、代々聖歌隊員というケースも多くありますが。
令和5(2023)年3月30日 札幌市豊平区役所ホームページに、『月寒(つきさっぷ)の少年』という歌をご存じですか?というニュースが掲載され、このホームページも紹介されました。「ボーイ・ソプラノによるCD等の紹介」のコーナーに、この曲について調査・研究したことが掲載されています。
https://www.city.sapporo.jp/toyohira/tsukisamu/kiji/20230224shonen.html