「鳩のように飛べたなら」(その1)
「鳩のように飛べたなら」(“O for the Wings of a Dove”)は、フェリックス・メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn, 1809–1847)のアンセム “Hear My Prayer”(ドイツ語原題:Hör’ mein Bitten)の後半部分の有名フレーズです。“Hear My Prayer”(我が祈りを聞きたまえ)は、引き続きアリア「鳩のように飛べたなら」につながっており、12インチのレコードでは、それぞれ片面に収録されてます。なお、メンデルスゾーンはドイツの作曲家ですが、イギリスでの人気が非常に高く、度々ロンドンを訪れていました。
この曲は、英国教会音楽の伝統とメンデルスゾーンらしいロマン派的旋律美が融合した作品ですが、有名になったのは、当時のイギリスのトレブル アーネスト・ロフ(Ernest Lough) (1927)の歌声が、テンプル教会で録音され、His Master's Voice(HMV)から発売されるやいなや大ヒットした歴史的名録音があるからです。1928年にマスターが摩耗したため再録音が行われたほどの人気を博しました。この価値は、当時の蓄音機の普及率が低かったという時代背景があるので、後の時代のレコードの売り上げと単純比較はできませんが、1962年までに100万枚以上を売り上げ、EMI 初のクラシック・ゴールドディスクとなったことに起因するところが大きいです。その後も、イギリスだけでなく各国のトレブルによって、歌い続けられてきました。
アーネスト・ロフ (Ernest Lough)1927年
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ダラ・キャロル(Dala Carrol) &list=OLAK5uy_k04gQ9fuezm0pArTW1mLYnFOYXuF81hFQ&index=7
アダム・バーマン(Adam Berman) &list=RDughE60WDOZw&start_radio=1
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