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スレッドNo.103

風と父と  秋冬

風に
背中を押され
歩く朝

父を
感じる

幼稚園
小学校
転校した小学校

いつも
門の前で
立ち竦んだ

手をつなぎ
みんなが
追い越していくのを
二人で見送り

 さぁ 行っておいで

手を離した父が
私の背中を
優しく押す

きっかけは
手を握る力か
あるいは
手の平の汗か

まるで
風に
背中を押されたように
前へ進めるのだ

父は
私を良く見て
心から理解してくれた

中学校
高校
大学
そして入社
転々とした会社

私はひとり
立ち竦み
父の声と手を
背中に感じて
前に進んだ


息子達は
手がかからなかったから
私の出番は
なかった


定年が近づいても
時折
立ち竦む日がある

そんな日は
決まって
優しい風が
吹くのだ

亡くなった父は
呆れているだろうが
風になって
背中を押してくれる


まもなく
父の人生を
超える

そろそろ
ひとり立ち
しなければ


今朝も
背中に風を
感じながら
出社した

父の人生を
超えても
父は超えられそうにない

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