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編集・削除(編集済: 2026年05月30日 02:08)

評、遅れます  島 秀生

すみません、私の評は、月曜日になりそうです。

次の評者の方、どうぞ先に行って下さい。

編集・削除(未編集)

歴詩奇譚「三成二人」 第二章 三浦志郎

〇 吉継 ある疑惑

三成生涯の盟友・大谷刑部少輔吉継

わしと三成とは豊臣に仕えし初期より昵懇だった 新進気鋭な上様(秀吉)に仕え お互い切磋琢磨した やつはさすがに切れ者だった ただその分 己の才を誇り 尊大にして人の感情を軽んじる所あり そのことでわしは三成を諫め 世の理(ことわり)を説いたものだった ところで今から思うと奇妙なことがあった わしが北陸仕置きの帰り 佐和山に立ち寄ったことがあった つかの間の遊興だ 遠乗りや鷹狩り 竹生島にも渡ったりした 夜は能に酒宴だ そんな中にあって三成どこかが違うのだ 背丈が 声が 微妙に違う気がした 少し話が合わないこともあった 馬の乗り方がいつもと違う 諧謔のつもりだったのか? 左を使う者の乗り方だった 刀は普通の位置だったが扱いがどこかぎこちなかった わしの思い過ごしかもしれぬが ただいつもの尊大さはなく 妙に優しい男だった気もする


  ただ、彼・大谷吉継の疑惑は解かれないまま終わった。なぜなら後年、彼はライ病を患い、失明し病で崩れた面相を恥じ、顔を
  白布で覆っていたからだった。ただ三成との友情は互いが死ぬまで続いた。それは殆どの場合(兄・佐吉三成)とのものだった。


〇 弟 その思い

一人の人間「石田三成」を兄上と分け合っている お互い半人前なのだ ただ兄上の“半人前”は凄い 誰もが兄を怖れ兄を頼り太閤殿下の信任を一身に受け世の中心にいる その正義感 物事への毅然とした振る舞い わしにはできぬことだ いや それ以前に天下のことなど関心がない わしはわしの分を守っておればよい 人の道を守っておればよい 領国・佐和山を任されている わしの故郷だ この地を守り育て領民を慰撫してゆく 幸い「治部(三成官名)の近江」として統治の良さは世評になっている これからも統治の合間に村の長と酒でも酌み交わし童女と共に手毬唄など歌おう それでわしは充分仕合わせなのだ 兄上と向きあうと 似る点 似ない点 よく見えてくる 嬉しいようで複雑な気持ちになるのだ そして双子とは厄介なものだ 今は公の場で二人間違っても顔を揃えてはならない 揃えていいのは秘密を知っている限られた人間といる時のみだ 兄上がたまたま領国に戻った時などは大変だ 慌てて観音寺に駆け込んで半ば蟄居・幽閉のようなものだ 戦場(いくさば)では覆面武者となって島 左近の陣に紛れ込むのだ 兄上とわしはふたつでひとつ 一心同体でなければならないが 同時に最も遠い人間でなければならない それぞれにそれぞれが独りでなければならないのだ しかし今となっては この奇妙な境遇も長い時間と共に馴染んでしまった 「影」と割り切れば、ある意味楽な部分もある 難しい決断は要らぬ 兄上に従っておればよい まず間違いはなかろう 兄上はわしにとってまさしく鏡だ 自分のありようを確かめる わしの生き方の手本になる ところで わしの名の「佑」は「人を助ける」の意だそうな 文字通り わしは影で兄上を助ける 二人 相見互い それでこそ真の「石田三成」だ


〇 太閤秀吉の死

利害打算の末
一代で築いた天下
秀吉 その死
扇の要 外れるが如し
政権基盤の脆弱さだけが残る
三成権威の後ろ盾がいなくなる
政権の不具合 軋轢 確執 
その不満は殆ど三成一人に集中する
問題山積
朝鮮出兵以降
出来るはずのない論功行賞
秀吉亡き後の
家康の台頭
秀吉亡き後の
家臣派閥抗争

三成 派閥抗争に巻き込まれ
奉行を辞して佐和山へ隠棲
一大政変だった
ただし それはある意味 予定の行動だったかもしれない
家康を討つ為の領国での戦準備
諸侯を歴訪しての参戦依頼と調整
三成兄弟 共に多忙


*               *               *

評なしで。  つづく。 次回は7/10。

編集・削除(未編集)

天空マラソン  相野零次

美しくたくましく生きることが
僕の望みだった
人々は笑い 願いは花に変わって
仄かに香るは桜の花
僕は空へ向けて垂直に昇っていった
両足のかかとから爪先まで
しっかりと大気を踏みしめる
この日のために開発された
大気を固体にかえるシューズで 
まるで競歩のような歩みで進んでいく

太陽の光はまぶしかった
心地よい暖かさだった
数機のヘリコプターが
TV中継していた
僕は時おりカメラ目線で手を振ると 
背中から大歓声の波が押し寄せた
とても良い気分だ
雲の中を通ると
雨がさらさらと降ってきた
肌にあたって滑るように流れていった
初夏の気候にはちょうどよかった

挑戦者は他に10人いた
僕は中継地点である 
雲のてっぺんまで辿り着いた
ちょうど陽が沈むところで
360度 陽が僕を淡く照らし
最高の景色だった
僕は額からうっすらと流れる汗を拭った  
自然と笑みがこぼれていた 

ゴールまでの道のりはまだ遠かった
遥か上空かすかに見える影
月がゴール地点だった
脱落者はいなかった
大気圏に突入した
大気が無くなったので
一旦宇宙船の中で専用の宇宙服に着替え  
専用に作られた道路の上を歩く
あくまでも月まで歩くのが目標だ
宇宙船に乗っては意味がない
そうして数時間後
僕らはついに月まで辿り着いた!
秒速約10キロ 10時間の道のりだった
僕の美しくたくましい行き方に 
またひとつ勲章が加わった
ビバ 僕と彼らの人生!
この先の日々にも栄光あらんことを!

編集・削除(未編集)

放蕩  竹中ゆうすけ

呼吸をするたびに
透明になってゆく躰《からだ》
「大好き」が溢《あふ》れる心

父は許してくれるだろうか
長年 放蕩しっぱなし!
帰る気もない………アマノ邪クを

キラキラが包む
白濁した快い湯船のなかで
沐浴してくれた 父の手は
なんて あたたかかったろう
なんて おおきかったろう

生まれた直後の日々も
目を瞑《つむ》れば
今に
甦る

世に痛ましい事件が絶えないのは
その痛みを自身が救える、と知らされているから
──── 救われるのを待つのでも、
救われますように、と手を合わせるのでもなく

涙に虹が 架かるとき
私は統合される

ようやく帰港できた
今日 この日
穏やかな波間で 赤ん坊がされるように 抱きしめられる ────
(帆布《ほぬの》がボロボロになっているのを 今ごろ識った;)
無限に 優しい 力に
この躰を通して 世界に働く 力に

編集・削除(未編集)

全力で君を愛するということ トキ・ケッコウ

全力で君を愛するということ
力の限り愛するということ
パンを齧っても
水を飲んでも
米を炊いても
人を罵倒しても
あるいはそれらの全てから
復讐されても
全力で君を愛するということ
キリストを持ち出したっていい
エホバ
ヤハウェ
などなど
絶対の神を
召喚したっていい
もうどうにでもなればいいではなく
もうどうにでも
なれるのだということ
全力で君を愛するということ
それは愛するなんて蓮っ葉な
ことばでさえ愛するということ
だからこんなに難しいことや
悲しいことは
他にそうあるはずはない

でも
なんということだ
ぞんざいにも軽率にも
君を扱ってきたというのに
全力で君を愛するということ
愛するという
いつもの蓮っ葉なことばでさえ
まるで報いかなにかのように
耳元で歌い上げ
胸元から
おおきく声を張り上げ
まるで槌(ツチ)と鑿(ノミ)のように
ぼくは君を削りつづけている
その昔
輸入してきた
そもそもが西洋式の表現
だからそれは滅多に洗うことのない
洒落たタキシードのようで
そのようにまるで手垢のついたまま
構わず着回し
悦にいっている訳だが

そんな目くらましのような
実体のなさを
愛してしまっている
だから
全力で君を愛するということ
それ自体がもし正しいなら
愛という名の付く言葉を
金輪際
みんな
まとめて
捨ててやろう
そうしてぼくは
愛という言葉より
もっとしわくちゃに
千切れんばかりに畳まれた
数字まみれの沢山の紙切れ達を
腹のそこからグイっと絞り出すように

苦しまぎれの
際どい言い訳のまま
全力で君を愛するということ

もう
どこにも逃げ込まないのだ

編集・削除(編集済: 2026年07月01日 23:05)

「瞳は語る」  星影 流

あなたの瞳を見て聴いている。
あなたの瞳を聴いている。

嬉しい時の瞳は水晶。
幾千の星を従えて、
キラリ キラキラ輝いて、
私を銀河に連れて行く。

怒った時の瞳は三角。
棘を持った心が宿る、
鋭く尖った目尻は刃。
私の胸を震わせ痛める。

悲しい時の瞳は深い海。
涙を幾つも湛えて蒼く、
孤独が沈む深海の様で、
私はその海へ舟を出す。

楽しい時の瞳は太陽。
楽しみすぎて焦げ付きそう。
溢れた笑顔は眩しくて、
私はすぼめた目であなたを見る。

あなたの瞳は物を言う。
私だけしか知らなくても、
瞳はちゃんと話してる。

話は苦手なあなたの口を、
瞳は出してる助け舟。
あなたの瞳とその口は、
まるで あなたと私みたい。

編集・削除(未編集)

夏の記憶  三津山破依

一、花火

誰かと二人、顔を上げた。
拡がる淡い花びら。
首すじの虫刺され痕を
指の腹でそっと掻いた。

ネクタイを緩めて、
缶コーヒーに救いを求める。
最寄りの駅から歩くしかない。
黒い苦い水は、すぐに汗になる。

僕は彼女を見かけ、
彼女は僕を見ない。
白いうなじも見つからない。
右と左へ、歩いて帰る。

二、かき氷

太陽を削る。
時間をかけて。
なんてことはない。
ガリガリ、シャリシャリシャリ。
器を用意。
零れ落ちるほどこんもりと。
ふわふわ具合はゆずれない。
特製木製スプーンで
そうっと、すくう。

そのあとは簡単
口に放り込め。

熱っ。

流れるのは汗なのか。
瞼を閉じる。

編集・削除(未編集)

荻座利守様 お礼 三津山破依

今回も丁寧な評をありがとうございました。
C調の中に毒を忍ばせたつもりでしたが、まだ表現が足りなかったようです。精進します。
いただいたご意見を今後の参考にさせていただきます。
また次回もよろしくお願いいたします。

編集・削除(未編集)

ありがとう  aristotles200

少し気分が悪くて
ホームの椅子に座っていた
寄る年波に
身体は悲鳴を上げる

痛みに耐えている
脂汗

次々と変わる、横に座る人
気がつけば
古い本が置かれていた
忘れものらしい

誰も取りにこない
見たことのない文字
何気なく手に取り
ページを開く

オカルト系らしい
魔法陣や怪物が描かれている
興味を失い
椅子に置く
さて、ぼちぼち家に帰ろうか

痛む身体を庇いながら
自宅へ
書斎の机の上に
駅で見た本が置かれている

声を失う
呪いか、何かだろうか
明日、駅に持っていこう
スーパーのビニール袋に入れ
鞄のなかに入れる

食事、お風呂を済ませ
布団に横たわる
鈍い痛み
さて、寝ようか⋯
ベッドライトの前に
本が置かれている

本は開かれている
絵と読めない文字が見える

やはり呪いの本か
どうやら取り憑かれたらしい
絵を見る
魔法陣を描き、呪文を描くと
病に苦しむ人が
立ち上がり、笑顔を浮かべている

⋯⋯
ダメ元、やってみよう
A4の紙に
本に描かれた魔法陣を写す

突然
周囲の家々から
犬の遠吠えがする、止まらない
何かに、怯えている

その下の呪文も
丁寧に書き写す

完成した
何も変わらない
悪魔も出てはこない

苦笑して
紙をくしゃくしゃにしてゴミ箱へ
馬鹿らしい
犬の遠吠えも収まっている

その夜は
気持ち良く
熟睡出来たようだ

朝、目覚める
背伸びをする自分を見ている
あーよく寝た
声も聞こえる

何処も
身体から痛みを感じない

何故、自分が目の前にいるんだろう
違う
中身は人間ではない
若々しい姿の私が
近づいてくる
笑顔で、私を手に持つ

ありがとう
66年6カ月ぶりの
生身の身体だよ

そう言って、本を閉じられた

視界が暗くなる
意識はある
皮表紙に肌のような感覚
音も聞こえる

   ✳

通勤電車が行き交う
駅のホーム
長椅子に、古い本が置かれている

誰か、開けてくれるのを
待っている

編集・削除(編集済: 2026年06月30日 05:47)

荻座利守 様 評のお礼です。  (星影 流)

お忙しい中、拙作への評をありがとうございました。
ご指摘の通り、後半連での転換を図るとき、軽薄になりがちだと常日頃より感じておりました。荻座様に指摘され、感じ方に間違いがなかったと再認識できました。
また、佳作を頂き重ねて御礼申し上げます。感覚的に言葉を連ねて詩とする事が多い中、この先の課題として慢心せず邁進できるお言葉を頂いたと感じております。

日々、暑くなりいく侯。体調など崩されませんようご自愛くださいませ。

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