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ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。
(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
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朝、窓を開けると
寒波がなだれ込む
耳がいたいな
吐く息は白く
儚く消えて
何の叫びにも
力にもならない
子供の頃に夢みた
21世紀は ただ 風に消えた
これまでは
熱い季節の高画質の蜃気楼を
ただ 追いかけていた
夢と空想で
現実から目を逸らしていた 俺
耳がいたいな
夜空が冷えて澄んでくると
闇に紛れて押し込められた叫びが浮かび上がる
聞こえないふりをしてきた
街角の叫びが
夜の静寂に溶けてゆく
自分のことにしか
目を向けられず
上ばかり見上げ
人を支配してきたもの達の
不安と恐れの叫びが
聞こえてくる
耳がいたいな
もう、これからは
俺のことは二の次にして
澄みきった朝の空気広がる
この青空のような
耳でいたいな
雨音様
こんにちは。
詩の評、お礼です。
ありがとうございます。
質問についてですが、小学3年生を想定しました。やっと、ある部分、物心つきはじめ、喜怒哀楽がわかり始めた年齢かなと思います。
これからもよろしくおねがいします。
去年の一月
秋から水栽培で育てていた
ヒヤシンスの花が咲いた
夜中に仕事から帰ると
冷え切った部屋の中は
ヒヤシンスの匂いで満ちていて
嗚呼なんと幸福なことかと思ったものだ
匂いを嗅ごうとして
傾けた顔をそっと
薄桃色の花房に近づけた私は
まるで口づけするような格好だった
口づけなんぞ したことはないが
あの頃の私は ある人への
好意と 萎縮と 劣等感を
持て余していて
相手の発言の真意を 探りあぐねては
一人で勝手に悶々としていた
けれどもこんな感情を 己が抱いているということなど
私は絶対に 認めたくなかった
その人が結婚すると人づてに聞き
胸の真ん中をぎゅっと掴まれたかのように一瞬、
息が詰まった時でさえも
やがてその人も私も
それぞれ別の町に移ることになった
あの人に会わなくなれば
私を苛んでいた感情は 鳴りをひそめ
そのことに 私は心底安心していた
今年
私はヒヤシンスを
育てなかった
この度はご多忙の中、拙作「虹蜺」に大変丁寧なご感想をくださり、誠にありがとうございます。
ご指摘いただきました副詞について、短歌などでは慣用句的な副詞は避けた方が良いとされるのでそれに倣ったのですが、詩では必ずしもそうとは限らないのですね。詩は本当に奥が深いです。
今回の描写は私の実体験ですが、それがうまく表現できていたのなら何よりです。
これからも是非勉強させていただきたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
本当にありがとうございました。
この気分の軽さはどうしたことだろう
明け方の甘美なまどろみ
いつになく笑みがこみ上げて
夫の会社の女性社員が電話で夫の帰国を知らせてきたのだ
一ヶ月ぶりに夫が私のもとに帰ってくる
中東の煙った匂いをかすかにさせて
今日夫が戻ってくる・・・
は か な い 錯覚 だった
迂闊にも長期で海外出張中の息子と混乱
夫が生きているかのような束の間のイル―ジョン
空疎にときめいた幻覚の一コマだった
「いま 着いたから・・」
いつものように 成田からの電話
早くください 早く あなた
PFAS汚染は潜んでいた
平和を謳う この国の地下に
消火剤などに含まれ
土壌から 水道水まで
発がん性や
子どもの成長を妨げる
基準と改善の義務づけは 来年
なぜ すぐさま対応しないのか
こうしている間にも
子どもや大人が その水を飲む
帳尻合わせ
原発は?
冷却水を放出する
強い指摘は聞かないけれど
海水温を上昇させる
原因のひとつとなってはいないか
放射性廃棄物に至っては
貯まり続けるとわかっていたはず
原子力発電は
全ての環境を整えるまで
稼働させてはいけなかった
知らなかったのだろうか
見えなかったのだろうか
見えないふり だろうか
国民を守る 住民を守る
まるで.政治ごっこ
我が家では 私も同じ
夕飯の残りの皿を持って
冷蔵庫の扉を開ける
左手は皿を持っているから
置くスペースが作れない
運が悪ければ何かこぼれる
掃除でも洗濯でも
たびたび壁にぶち当たる
準備をちゃんとしないから
目の前をちゃんと見ないから
またやっちゃった
次はちゃんとやろう
簡単なはずなのに
できない ずっと
理由はたぶん
本気さが足りない
私のは 暮らしごっこ
子ども達の親とは名ばかりで
腰が 座らず
ふわふわ
いつか何かひどい目に
見舞われるかもしれない
目の前をちゃんと見て 丁寧に向き合って
大切なことを見極めてから
次の扉に手を掛けたい
上る階段は今も まだ先に延びていた
一主婦の
私のやっていることの
拡大版が今の日本
このままじゃ 立ち行かなくなる
一歩を 着実に踏み出さないと
私も
人の傷みに思いをやれない
この国も
いい加減本気になろうよ ねえ
この国の偉い人達も
お疲れ様です。上田です。
拙作「蛙先生」に佳作を頂戴しまして、誠にありがとうございました。
本作は中学生時代の体験をベースに詩的なエッセンスを少々加えて仕上げました。
雨音さんに「上田さんはストーリーテラーだなと改めて思いました」と感想を頂いたこと、私にとっては至上の喜びとするところです。
どちらかというと叙事詩的な作風のものが多く、抒情詩は苦手としています。もっと腕を磨いて抒情詩にも挑戦したく思っています。今後ともご指導宜しくお願い致します。
俯いて歩く帰り道
あおたんまみれの左脛に
じくじく腫れた左腕
右のお腹に貼られた湿布の
ひんやりとした冷徹さ
歩けど歩けど進みもしない
地獄のような帰り道
前を横切ったクロアゲハ
道路に飛び出たと思ったら
速度違反の車が遮り
呆気ないまま散り散りに
思わず足を止めるも既に
風に揺れる四枚の羽
車は知らぬ存ぜぬと
過ぎ去って行った後でした
薄い雲のたなびく空を
目を細めながら見上げてみたら
そこに映るはクロアゲハ
瞳の奥から離れてくれない
かげおくりみたいにくっきりと
視線を戻して瞬くと
黒い燕尾の男の子が
病的なまでに白く細こい手を差し出して
それは美しく微笑ってる
思わず一歩踏み出した時
耳奥につんざくクラクション
なまぬるい風の勢いに押され
ぐらりと僕は倒れこむ
視線の先で顔を歪める
黒い燕尾の男の子
真っ白な手は既に仕舞われ
陽炎のように揺らめいて……
残っていたのはクロアゲハ
ピクリとも動かない彼を僕は
そっとひろいにいきました
残念。
ほんのあと少しだったのに
お疲れ様です。上田です。
拙作「堺」をお読み頂き、ありがとうございました。
人生における切所は誰にもあることながら、私の場合は親との別れと連動しておりました。最初は14歳、母との別れ→故郷からの転居。そして当該作品の父との別れ→堺への単身赴任です。
いろいろあった一年を一度振り返ってみたいと思い、詩にした次第です。
ご指摘のように勤めていたのは建材メーカーです。西日本ブロック担当部長兼大阪営業所長という肩書、セールスの素人をこの位置に座らせる会社、どだい無理な話しですよね。大阪や京都は勿論のこと、泉南地区や和歌山にもよく足を運びました。淡輪などの地名を聞くと懐かしいです。
苦悩が滲んでいるという評価を頂戴して年甲斐もなく目がウルっとしました。どうも涙腺が緩くなって困ります。
改めて、佳作の評価、ありがとうございます。気持ちの上でとても嬉しい評価を頂戴しました。
これからもさらに精進したいと思います。
たゆたうオレンジの水
魚も貝もいない
大きな水槽が
この水族館の呼び物
実は水槽には
無数のオレンジの放物線が
飛び交っている
その速さとおびただしい量とで
たゆたうオレンジの
静かな水に見える
水は下から上へ
薄くなるグラデーション
天井の鏡に映る水面には
頻繁な明滅
そこだけ白く光っては消える
学芸員が注意する
総体を味わってください
全体を見てください
凝視してはいけません
全体を見てください
父に手をつながれて
思わず目を凝らす子ども
見えてくる
長い放物線は高く
短い放物線は低く
何度も何度も軌跡を描く
子どもは
じっと目を凝らす
自分と同じ高さの短い放物線群
じっと目を凝らす
やがて
短い放物線の無数の交差から
浮かび上がる兄の顔
好きだった兄の顔
兄の顔が消えてゆく
浮かび上がる
知らない子どもの顔
知らない子どもの顔は
悲しそうに消えてゆく
浮かび上がる
知らない国の子どもの顔
知らない国の子どもの顔は
苦しそうに消えてゆく
学芸員がやさしく
後ろから肩に手を置いた
子どもは はっとして全体を見る
たゆたうオレンジの美しい水
微笑む父を見上げて
水槽の美しい水をながめる
もう誰の顔も
浮かび上がってはこない