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スレッドNo.1032

流星群  山雀詩人

目が覚めると君がいた
目の前に
向かいの席の片隅に
まっすぐに立っていた

すごいね
こんなときでも
君は強気な背骨だね
いたいけなくらいまっすぐ

君は淡いピンクの無地で
広げたらさぞきれいだろう
雨の日にはまるいしずくが
流星みたいにつたうだろう

君が忘れられたということは
雨はもうやんだのか
窓の外はまっ暗で
何にも何にも分からなかった

ただ電車の走る音のみ
ゴトゴトゴト ゴトゴトゴト
ココハドコ ココハドコ
とでも言うように

本当にここはどこだろう
僕らは闇をひた走る
降りるべき駅は過ぎ
車内にはもう誰もいない

もしかしたらここは
この世の果てかもしれないね
もうすぐ線路がぷっつり切れて
崖から飛ぶのかもしれないね

いいよ、それならそれでいい
だって僕には君がいるから
まっさかさまに落ちたらさ
君を広げて落下傘にするから

きれいだろうな
闇にピンクの花一輪
雨が降ったらなおいいな
それこそ無数の流星が

君から落ち
僕も落ち
だからみんな止まって見えて
僕をぐるっと囲むだろう

まるで宝石を散りばめたよう
小さな宇宙が生まれたよう
その中を僕は進むよ
そうだ、僕も流星なんだ

って何を言ってるんだろう
もしかして寝ぼけてるのか
本当にここはどこだろう
今日ちゃんと帰れるのかな

外を見て驚いた
まっ暗だった空に
無数の星がきらめいていた
まるで宝石を散りばめたよう

流星だ、流星群だ
上だけじゃない、はるか下まで
そういえばさっきから
電車の音がしていない

僕は急いで 君の手をつかんだ
 

編集・削除(編集済: 2022年11月15日 07:09)

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