最後の朝食 cofumi
コーヒーはいつものブラックで
トーストは少し焦げ目をつけて
フォートナム&メイソンの
ビンテージマーマレードをのせる
味気のない顔は相変わらず
あなたは当たり前のように
それらを頬張る
私はあなたの影ではない
愛って何ですか?と問えば
あなたの答えは
夏と冬くらい違うはずだ
「別れましょう」たった一言
それを言うだけなのに
階段を一気に駆け上がったように
心臓が暴れ出す
いつか全てが思い出になれば
「楽しかったね」と
言葉を用意して
庭は毎日違う顔を見せるの
雑草さえ愛しくなるくらい
あなたは夏の庭に何が咲くか
知っていますか?
冷たい雪の下で呼吸してる
命を知っていますか?
「ほら、口にマーマレードが付いてる」