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スレッドNo.1045

冬の知らせ  さくたともみ

冬が来る
人は庭木の枝を落とし 糸を巻き 雪の重みに備え始める
虫は道そこらでひっくり返り、
ついこの間まで歌い歩いていた雀は見掛けなくなった

さあ、葉が落ちたぞ 霜が降りたぞ
歯をかちかちぶつけながら、白き息を吐き始めたぞ
寒さに震える姿を笑うは 裸の木にぶら下がったナナカマドの実

時が来たのだ
真っ赤に染まった硬き実が呟いた
一粒、また一粒、
声は瞬く間に喧騒の渦となった

時が来たのだ!
時が来たのだ!

地面に叩きつけられるまで、
積雪が音を喰らうまで、
彼らは冬の目覚めを知らせ続ける

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